全体的にチープで短いながら、まとまった時間の取れない今の俺には実にマッチした作品だった。学園生である主人公のキャラが立っているからか最後まで物語が破綻することがないという、何とも不思議な味わいがあった。Ｈシーンでは左手の指輪が見えるなど、ＮＴＲと言うよりも不倫ゲーとしての演出が良かった。
「インカローズ」作品は、ヒロインが年上（人妻含む）・ヒロインが面倒見が良い・主人公受けシチュ、のような展開が多い様子である。
本作もヒロイン３人が人妻であるが、題名に『童貞喰い』とあるものの人妻が主人公を誘うのではなく、主人公が人妻にアタックした結果、各ルートに入るような展開になっている。
主人公は母親くらいの歳の差があっても守備範囲であり、堂々と告白するなど一本筋が通っているところに好感を持った。
NioNio氏の原画が良いのであるが、一部のＨなＣＧでは別人のように崩れているのが残念。
キャラとしては、親友の母親（桜苗さん）が一番気に入った。ストーリーも同様であり、実は唯一のハッピーエンドである。
学校の先生ルートはバッドエンドと言えるんじゃないかと思うものの、主人公の無念さがにじみでている、意外に味のあるエンドだった。
対して隣りの人妻ルートは、モラルを優先したことを結局後悔しているエンドが、この種の抜きゲでは珍しくまともで不思議な印象を受けた。
総じて、ストーリーがちゃんと作られているところが良かった。
声優は割りと一定水準だが、親友の母親（桜苗さん）役の花蜜という方の声が奥川久美子に聞こえてしまった。声の似た別人かもしれないが、この方の出演する他作品もプレイしてみてから判断してみようと思う。
テキストウィンドウの濃淡変更不可、テンキー部分のEnterキーがSkip状態になるため使えない（マウス左クリックは使用可能）、BGMが総じてチープ、射精音が自動販売機という、デジャビュ感がたまらない。
「インカローズ」「ノアールソフト」「アーテル」「ブラックカラント」共通仕様である。
全体的にチープで短いながら、このグループの作品群には不思議とひかれるものがある。今後も題材次第ではプレイしようと思う。