納涼の時期的に怖~い作品をプレイしたくてクリアした。2017年作品だが、マイナー過ぎてクソゲーオブザイヤーエロゲ版選考漏れ作品、と言うと納得出来るような作品だった。言うなれば、バカゲー要素を抜いた「くるくるファナティック」と愛情のある部分を抜いた「君が望む永遠」の緑の悪魔ルートを足して2で割ったような感じだった。バッドエンドへの力の注ぎ方が半端ではないところがすげえ。
よく、「主人公が優柔不断でイライラする!」と言う感想を書きこんでいる人が居るけど、その優柔不断な主人公がメンヘラ・電波・ストーカーの女子3人を選べなくてみんなと公平に付き合っていきたい、と都合の良い意思表示をしたらどんな展開を遂げるか?というのを実践したのが本作である。
包丁とカッターナイフとロープとスタンガンの出番が多数。
ハーレムルートでは主人公が拘束されたままヒロイン3人に笑顔で監禁されてしまう。
7つあるエンドのほとんどがバッドエンドであり、だいたいヒロインか主人公のどちらかが死ぬエンドばかりである。
十数年ぶりに緑の悪魔のトラウマがよみがえってしまった。ノアールソフトというブランドでTSゲーを4本出してくれた時には歓喜したものだが、その次に発売したのが本作であり、本作以降TS作品が出ていないのは残念としか言いようが無い。
どんなに他人顔をしてもスワンの後継だということが全力でバレてるところが面白かった。CGは当たりはずれが大きいわシステムは貧弱だわというまぎれもないクソゲーなのに、多数あるバッドエンドにかける妙に情熱あるシナリオには拍手モノである。
なお、全員クリアしてもハーレムルートが終わってもCGが埋まらないので別ルートがあるのでは?と予想して、セーブしている最後の選択肢から「静香」を再度ロードしてみると「静香ルート2」に分岐して、『縮小再生産版・緑の悪魔ルート』が始まる。これがまた長いのなんの。しかも、ヒロインの残りふたりをさらってきて主人公と合わせて3人監禁したり、主人公とのHを強要するシーンもある。さらに、静香とのHなCGの絵柄が゙安定しないのでプレイヤーにとっては別の意味でも悪魔である。最終ヒロイン悪魔。そう名付けるにはCGが不安定すぎて、そのインパクトは左側に傾いている立ち絵ほどもない。
それはそうと、通販サイトでも批評空間でも本作の原画は「備後伯爵」氏という記載だが、実際にゲームをプレイするとエンディングテロップには「NioNio」氏の名前がクレジットされている。どちらが正しいのだろうか?
もし「備後伯爵」氏が正しいのであれば「性反転症の「俺」が「私」になるまで 」あたりと比べるとレベルが低い、もしくは手抜き感が半端ではないことになる。また、立ち絵とCGが別人のように違い過ぎるものがあり、そのCGも出来が良かったり悪かったりと安定していなかった。
前身がスワンであろうと個人的にノアールソフトは好きなブランドであり、また是非TS作品を作って欲しいと願うものである。
・立ち絵+CG 14点/20点
・設定(作品世界観) 13点/20点
・シナリオ 15点/20点
・音楽 14点/20点
・声優 14点/20点
●合計70点