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MGNさんのぱふぱふ銭湯物語! ~町のお風呂屋さん、繁盛の秘訣はHなマッサージ~の長文感想

ユーザー
MGN
ゲーム
ぱふぱふ銭湯物語! ~町のお風呂屋さん、繁盛の秘訣はHなマッサージ~
ブランド
カカオ
得点
82
参照数
4079

一言コメント

個人的に大穴だった。OPムービーから漂うバカゲー臭を最後まで維持出来ているところが見事。なぜ2部構成になっているのかなどの疑問点はあれど、CGもHシーンも出来が良く、主人公の痛い言動が許容範囲ならば突っ込んでみる価値があり。久々にハッピーな抜きゲをプレイ出来て満足だった。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

マイナーブランドの本作は、私がOPムービーや公式HPの設定が気に入って購入表明したので「発売延期」「クソゲーオブザイヤーにノミネート」「大穴」のいずれかの展開をたどるかと思われるが、発売延期はしなかったようなので「クソゲー」か「大穴」のどちらかとなる見込みである。
個人的には大穴認定したいのだが、今後世間の評価はどっちに出るかを見届けたい。


本作は謎の2部構成となっている。

経営不振の銭湯の経営者である未亡人の奥さんとその娘ふたりが攻略対象となるかと思いきや、主人公と未亡人の奥さん(奏恵)とのHシーンはあるものの、そのほかは娘の友人である茅音(かやね)と紅葉(もみじ)のふたりのアルバイトの子たちとのHシーンばかりとなる。娘ふたりは顔を出すもののHシーンとなるほどの出番がまったく無い状況で話が進む。
ところがその後、なぜか茅音と紅葉は『Hなアルバイトが親バレしそうになったので辞めたい』と退場してしまうのである。ここまでに20近いHシーンがあったにもかかわらず、である。
ここまでが前半。

ここからが後半。
もともと奏恵の『自分の娘ふたりには、銭湯でのHなアルバイト(風俗まがいの過激な有料サービス)はさせたくない』というわがままな親心でアルバイトの子ふたりを使ってきたが、いよいよ経営がヤバくなって来たため、主人公の助言を聞き入れて娘ふたり、愛実(めぐみ)と明香(あすか)をHなアルバイトとして迎えることとなった。
しかし、前半の茅音と紅葉の活躍で一旦は上昇した売り上げが落ちてしまい、主人公が愛実と明香に再びHな教育(マッサージテクニック)を始めるところから話が進んで行く。
一回盛り上がったストーリーを一旦リセットした上で、キャラを交代させて再びストーリーが進むのである。
そして、銭湯経営者・門倉一族の奏恵・愛実・明香の3人の選択肢が出て攻略可能ヒロインとなるのであった。

しかし、ひとりクリアしてみて私が思ったことは『前半の茅音と紅葉って本作に必要だったのか?』という疑問だった。
何しろ、親バレを恐れて辞めた茅音と紅葉は後半では全く登場しないのであった(会話の中でチラッと名前が出る程度)。
細かく考えると、経営不振の銭湯での風俗まがいの過激な有料サービスを始めるにあたっての実験台としての存在価値はあったのかもしれないが、作品としては実は後半だけでも成立するのである。
ヒロインが増えるならばまだ理解出来るが、退場してしまった理由はいったい何だったのだろうか?
CGとHシーンの数かせぎという解釈も出来るが、実はもともとはふたつあったストーリーを強引に1本にまとめてしまったのが本作ではないのか、というのが私の予想である。
ジャケ絵が門倉一族の奏恵・愛実・明香の3人のみであり、公式HPを見る限りでも茅音と紅葉の存在が後付けに見えなくも無い。
前半と後半でヒロインが入れ替わる作品っていったい・・・?
こう考えると「クソゲーオブザイヤーにノミネート」はありえる話にも思えてきて参った。

とは言え、この謎な構成と主人公の痛い言動(個人的には「すくみず食べ放題 」の主人公が許容出来たので本作も許容出来た)をスルー出来るなら、CGもHシーンも豊富な本作は抜きゲーとしては優秀な部類に入る作品となると思うのである(もちろんバカゲーとしても)。


本作のCGは46個、Hシーンは49個もある。CGよりもHシーンのほうが多いのである。
原画のPAZMA、うたはね、という方々。作品数が少ないので新進作家の方々と思われるが、キャラの表情や肉感的でいやらしいところ、そして下着のシワの描き方などに妙なこだわりがある様子であり、素晴らしいと思う。
Hのシチュエーションとしては、フェラとパイズリが突出して多く、手コキ(授乳手コキ、背後からの手コキ)、足コキ、尻コキ、素股コキ、手マン、クンニ。69がある。セックスシーンとしては、騎上位がなぜか多いほか、対面座位、正常位、バック、側位などがある。
CGやHシーンだけで十分に使える作品である。

あと、特筆すべきことは、奏恵・愛実・明香の3人の個別エンド(腹ボテあり)やハーレムエンドのほかに、セフレエンドがある。
これは、攻略キャラを選択しながらも排卵日にはゴム付きセックスをするというものであり、最終ルートの誰かをあえて選択せずに3人とうまくやって行きたいという、優柔不断な主人公らしいルートである。
個人的にはこのセフレエンドの存在が気に入っている。
シナリオは、本作が最初の作品と思われる「黒川十夜」という方であった。今後の作品を期待してみたいと思う。


声優としては、ひむろゆりが未亡人の奥さんを好演しているのが光る。こういう落ち着いた声もまた良いものである。
水野七海は再び活動を開始したようで何よりである。
風鈴みすず・そよかぜみらいのふたりは最近活動開始した方々の模様。平均的で問題ない。
唯一、宮瀬ゆゆという方の声だけが残念だった。