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MGNさんのグリモ☆ラヴ ~放課後のウィッチ~の長文感想

ユーザー
MGN
ゲーム
グリモ☆ラヴ ~放課後のウィッチ~
ブランド
しろいぱんつ
得点
72
参照数
1542

一言コメント

220個もの小エピソードからなる大作だった。良くこれだけ書き切ったもんだと感心する反面、とにかく疲れた・・・。約束されたバカゲー枠としては十分な仕上がりだったが、俺が「良さそうだ」と思った作品がクソゲーオブザイヤーエロゲ版にエントリーされやすい、というジンクスが今回も発動してしまった予感しかしない。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

エピソードが220個、Hシーンが71個という、まさかの大作だった。
「しろいぱんつ」によるフルプライスの抜きゲーというのが第一印象なので何かあるとは思っていたが、まさかここまで無駄に長い作品とは予想外だった。
小エピソードばかりだがシナリオをここまで良くぞ書いた、と感心してしまった。
エピソードに番号を振るなどして今が全220エピソードのうちの何番目、みたいなシナリオ達成率を表示してくれたらここまで疲れなかったかもしれない。
エピソードの中には明らかに不要なものも多数あり、最終シーンの選択肢が登場する場面までが共通シーンだったとするならば、ある種の達成感はあった(ただし、疲労感のほうが多かった)。

ストーリーは特に破綻することなくちゃんと作られているが、最終シーンに向けての必要と不必要の選別がプレイ中はそもそも出来ないので、最終シーンで伏線の回収を(説明セリフ中心ではあるが)するシーンを見た時に『ああ、そんな設定があったっけ』と思い出す程度となってしまうのが残念だった。

声優事務所はエンディングテロップにアトリエピーチの名前があったが、所属していないと思われる人はフリーということなのだろうか。
藤邑鈴香、早瀬ゃょぃ、八尋まみ、星空ユメ、羽高なるあたりが俺得だった。
それにしても、八ッ橋きなこは棒、という意見には同意せざるを得なかった。

一応書いておくと、「錬金術の実験」というエピソードでTS(性転換)ネタが登場する。
これは、理科室で作った媚薬を主人公に飲ませた結果、女性化してしまう、というもの。碧唯がペニバンで主人公の処女を喪失させるほかHシーンは2回あり。
ただし主人公は女性化しても声なしであり、CGも1枚の画角から変化がないため、面白みには欠けるという結果だった。
単なる小ネタのひとつに過ぎないため、TS(性転換)ネタ目当てで本作品をプレイすることはおすすめしない。

私が「面白そうだ」と思って購入意思を表示したり予約購入したりした作品は、かなりの確率で発売延期したりクソゲーだったりする、というシンクスが今回も発動している作品である。
特にクソゲーオブザイヤーエロゲ版にエントリーされそうな点については、私自身がプレイ後に実感せざるを得ないほどだった。大はずれとは思わないものの、大当たりには程遠いところが困ったものである。