他作品での水上凛香の絵が良かったので、過去作品を探してプレイ。廉価版ながらまさかの良作だった。ドンくさい眼鏡巨乳ドMヒロインが良い。かつては田中美智やみるが演じたであろう役柄のCV・篠原ゆみが素晴らしい。現在の廉価版作品にはあまり見られなくなった瞬発力があり、ブランド消滅が残念。
2014年に3本を発表して解散してしまったシリカゲルの第2作目。
前作「真面目と囁かれるオレを幼なじみの理彩が性的な意味も込めて陥落していく話」と同一の世界観であり、ヒロインが幼なじみの理彩から学生会スタッフのなずなに変わった作品。
そのため、登場人物も前作と同一であり、ヒロインだけが変更されているという、「理彩/なずな」という選択肢の分岐でなずなを選んだような作品。
ディスクインストール後のアイコン自体が「まじかん 02 -なずな編-」となっており、最初から連作で企画されていた作品である。
第1作目の「「真面目と囁かれるオレを幼なじみの理彩以下略」の時からサブキャラとして登場するなずなが気になっていたが、その時はなずなのルートは無かった。
本作第2作目では晴れてなずなオンリーの作品であり、途中まではなずなの言動のあやふやさに主人公同様にイライラしたが、主人公が見抜いたとおりのなずなのM気質なところに付け込んでからは、一気に世界観がなずなのM世界になり、そのあとに展開される数々のHシーンには萌えた。
特になずなのCV・篠原ゆみはMキャラとしての演技が秀逸であり、かつては田中美智・みるあたりが演じていたであろう役柄をうまく継いでいた。
第1作目に比べるとHシーンに突入するまで時間が早く、イライラする主人公同様にイライラしているであろうプレイヤーの気持ちを考えているようにうかがえた。
「面倒くさいことがキライ」という主人公の性格も一本筋が通っており、作品構成としては実にうまく作られていた。
現在の廉価版作品ではこのような瞬発力ある筋道や展開はあまり見られなくなっており、当時の狙いは良かったのだと思える。
当時、発売延期が続いたのもヒットしなかった要因だった様子である。それだけに、3本で解散してしまったところが惜しい。
原画は水上凛香。「水の都の洋菓子店」が代表作の方であり、最近の「俺の彼女がガチ変態すぎる」で素晴らしさを再認識した。
シナリオライターはHatsu。一連のはむはむソフト作品や「インモラル・リトル」などを手がけた方。本作の瞬発力あるシナリオには拍手モノである。
・立ち絵+CG 16点/20点(CG:15個、シーン回想:7個)
・設定(作品世界観) 15点/20点
・シナリオ 16点/20点
・音楽 16点/20点
・声優 18点/20点
●合計81点