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MGNさんの処女ママの長文感想

ユーザー
MGN
ゲーム
処女ママ
ブランド
桃色劇場
得点
76
参照数
555

一言コメント

Tangerineのメンバー制作による旧作。4/28発売の「らぶちゃ」と原画家以外ほぼ同一メンバー。単なる抜きゲに終わらない作品構成や世界観が秀逸。さっぽろももこの原画・音楽とも期待を裏切らない出来。こういう佳作が埋もれているのは非常にもったいないと思う。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

4/28発売の「らぶちゃ」(Tangerine)が良かったので、Tangerine開発受託商品である桃色劇場作品「処女ママ」(2011年)をプレイしてみた。
もともとさっぽろももこ原画作品として積んでいたが、この機会にプレイ出来て本当に良かった。

作品構成が特殊で、1周目は選択肢なしの一本道シナリオ、2周目で1周目の世界を再びなぞりながら新たに設けられた選択肢でふたつのエンディングに分岐する仕様となっている。

夢ネタ(催眠ネタ)多数であり、現実がどれなのかがだんだんわからなくなって来る展開はどこか昔の深夜ドラマ風で懐かしかった。
ただ、ママが処女である必然性(作品のタイトル)については最後まで明確にはわからなかった。何か意味があったのかもしれないが、ストーリーが面白かったので『まあいいか』と解釈した。

ママとのHシーンも豊富であり、手コキ・フェラ・パイズリ・対面座位・アナルセックスなどが登場。
特に、裸エプロン姿のママに膝枕で耳かきしてもらうシーンが貴重すぎる。
姉の笑理(えみり)とのHシーンは陵辱展開主体で、白ストッキングによる足コキ・フェラ・騎上位のほかは、フタナリになってのアナルセックスなど痛そうな展開ばかりとなる。

褐色の白メイド(エツ子)も登場。
このメイドがストーリーの案内役であり、セリフ以外のテキスト(場面説明)はすべてこのメイド視点によるものである。
メイドの正体が何なのかは本編中で語られるが、「家政婦は見ていた」にヒントを得て作品世界をふくらませたような超展開ありの不思議な構成となっている。

声優は、ママ:三郷綾夢(要は桃井いちご)、姉の笑理(えみり):鈴原千秋、メイド(エツ子):花園朱美である。
ママ以外は棒気味だが、ギリギリ許容範囲というところか。

2周目の選択肢で姉を選ぶとバッドエンド、ロードし直して選択肢からママを選ぶとハッピーエンドであり、総合エンディングとなる。
この、ハッピーエンドが桃色劇場作品らしくないところがTangerineの開発受託商品なのかもしれない。
救いようの無いストーリーばかりでは疲れるし盛り上がらないので、やはりハッピーエンドはあって欲しいと思うのである。
エンディングの最後に出て来るテロップが『Thank you for your praying』であり『playing』じゃないところがハッピーエンドを望む自分にはすがすがしかった。