女装潜入物。ALL-TiME作品ながら、まさかの良作。声優にハズレなし、主人公声ありで大満足。さっぽろももこの原画も良い。
陵辱ゲーのALL-TiMEが贈る一風変わった女装潜入作品。
主人公が学校の先生であるほか、借金の怖さ、身内を守ることの理不尽さ、女装生活を完璧に送るための覚悟、ウソをつき通すストレスなど、その辺の青春女装ゲーがぬるく感じられるくらいのハードな設定やシナリオが素晴らしい。
たぶん中高生がプレイしても面白いと感じないのではないかと思える展開が良かった。
どのルートもシナリオがうまく組み立てられており、夏合宿や学園祭などの共通部分をうまく利用していた。そのため、既読スキップで飛ばせる箇所が少数だった。
ルートによっては長い・短いがあるが、智子ルートに大団円的な要素があり、小枝子ルートが一番陵辱色が濃くて痛いなどの違いがある。
攻略順を付けるとしたら、智子を最後にすると読後感がすっきりすると思える。
もともとは女装物であることとさっぽろももこ原画作品をプレイしたいという気持ちから購入したが、3年くらい積んでしまった。
もっと早くプレイすべきだった。そこが後悔と反省点である。
主人公役の平野響子という方、自分がプレイする作品にはあまり登場しないが、本作では真面目な大人の声で好演していた。
芹園みやが弁の立つツンデレ生徒を実に上手く演じていたほか、雪都さお梨は平常運転、緒田マリは相変わらず萌えないどころか怖いヤクザの娘役で怪演しているのが印象的だった。楠鈴音は懐かしいというかこの手の嫉妬深いキャラが相変わらず合っていると思えた。
ヤリゲーに良シナリオは不要のような考え方もあるが、本作に関しては、シナリオをちゃんと作っているためにヤリゲーでありながらここまで読ませて燃える(萌える、ではない)展開にすることが出来ており、素晴らしいと思う。