すぎやま現象の原画は一見の価値あり。
声優・和鳥みどりを追って、この作品に到達。
結果、美しいＣＧ・期待通りのボイス・穏やかなＢＧＭ、と三拍子そろった超短編ＡＤＶだった。
すぎやま現象の原画には普遍的な価値がある。もう、絵を見ているだけでいい、という気分になる。
メイド服に、表情に萌える。もはや古い表現だが、萌えるというたとえがぴったりだと思える。
声優は見事に、当たり。
和鳥みどりは期待通りの声・役柄。
朝倉奏美は予想外の落ち着いた声・お人形のような少女キャラ（ロリキャラ）。
くわがたみほの出演作品は初めてだったが、上品で落ち着いた大人キャラが最高。
しかし、ストーリーは、細切れエピソードの積み重ねのような短編ラノベ並みであり、ＣＧの美しさや登場人物の魅力を生かし切れていない。21世紀のメイドさん、という設定はいったい何だったのか。
「残念な作品」というＰＯＶがあれば間違いなくチェックを入れていた。
ＰＳＰからＰＣへの移植ということだが、ＰＳＰ版もこんなに薄い内容だったのか、売れたのか？と心配になるほどコンパクトな作品である。
ErogameScapeでもデータ数が驚くほど少なく、2010年作品とは思えない。それでも、評価対象外にするにはあまりにももったいない作品。
私がプレイした時期がちょうど東日本大震災から１カ月くらいたった頃であり、混乱した世相の中、この作品の「時が止まったかのような世界観」が、美しいＣＧとともに衝撃的だった。