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MGNさんの淫DAYSの長文感想

ユーザー
MGN
ゲーム
淫DAYS
ブランド
Red Label
得点
68
参照数
109

一言コメント

大学の映画同好会が舞台の作品。世相がのんびりしていた頃の雰囲気が良い。クソゲーでもフルプライスになるとそれなりに中身のある作品となるものである。一部、薬物などの危険ネタが登場するが「映画を撮影する側を描いた作品」という視点では面白かった。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

アーベルグループの「Red Label」によるフルプライス作品。
2007年当時はまだフルプライスで発売できる余力があった様子であり、予約特典ディスクには壁紙・登場声優によるシステムボイス・ミニドラマ3本・ラフ原画などが収録されていた。
私は2011年の「JK交姦」以降の7作品を先にプレイしてしまっているが、いずれもロープライスの短編であり、姉妹ブランドの「Red Rebel」7作品もロープライスの短編のため、両ブランドの作品としては最後のフルプライス作品と思われる。

大学の映画同好会が舞台であり、この部室の雰囲気がかつて自分が通った学校と雰囲気が似ていて、とても懐かしく見ることが出来た。
「才能ある変わり者」が居るところ、アルバイトをする主人公、彼女と同棲するところ、以前付き合った後輩が登場するところなど、大学生当時の記憶がよみがえるようで別の意味で楽しくプレイ出来た。

ちんじゃおろおす氏の原画が当たりはずれありながらも良い味を出しているほか、それなりに完結しているストーリー、かわしまりの・桜川未央ほかの声優が印象的な役柄を演じており、全体的には悪くない出来と言える。

ただ、上記に挙げたふたつのロープライス作品を先にプレイしてしまっていると、本作品で使用されているBGMの大半に聞き覚えがあったり(もちろん2007年の本作のほうが先に発表されているが)、背景画に見覚えがあったりゲームシステムに見覚えがあったりと、終始デジャヴの状態だった。
また、せっかくうまく終わったストーリーなのにエンディングテロップもなく突然タイトル画面に戻ってしまう作りの悪さは気になった。

攻略順は一応あって、春名(CVかわしまりの)から始めて布由(CV桜川未央)で終わらせると、作品世界の全般が見えて来る。
もしくは、春名(CVかわしまりの)を最後にプレイすると最もハッピーなトゥルーエンドとなると思えた。

薬物中毒のラリっているヒロインが露骨に登場するほか、過去作品のサブキャラらしき悪役たちがモブキャラで登場するあたりが2007年ころの作品らしい。
また、メンヘラヒロインは結構怖くて、一回見たら忘れられない夢に出てうなされそうなCGがあったのも良い思い出である。
奇しくも現在「ひぐらしのなく頃に~業」がリアルタイムで放映中であり、そっちを先に見ていたため怖さを半減出来て良かった。