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G-hunterさんのレクタンドール戦記 レヴォラシオン ~紋章の記憶~の長文感想

ユーザー
G-hunter
ゲーム
レクタンドール戦記 レヴォラシオン ~紋章の記憶~
ブランド
AniSeed
得点
10
参照数
5791

一言コメント

エロゲーは人を殺すことができることを証明した作品。バグがないのに中央値5、平均値9、giveup率68%という驚異的数値の作品。もはやクソゲー業界は「短いが、話に整合性のない超展開バカゲー」の超空間的クソゲーから、「話がただ長く、真綿で首を締めるようにユーザーを殺す」超退屈的クソゲーに移行したともいえる。囚人のように、穴を掘ってその穴を埋める作業を永遠と繰り返す本作品は、数々の歴戦プレイヤーを葬ってきた。詳しくは長文感想でしっかりと書かせていただきました。これはクソゲーマーに対して突きつけられた挑戦状なのではないだろうか

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

「もういっそのこと、ひとおもいに殺してくれ!」と叫びたくなる作品

終盤は話の展開がはやいものの、まだ読める
しかし、序盤と中盤は永遠とも思える時間をつぶさなければならない
プレイ時間は25時間ほどであるが、体感時間なら100時間を超える
なぜか攻略サイトが公式OHPしかないという……誰もこんなゲームは攻略したくない



・序盤

最初は主人公の幼少期から始まる。ちなみにヒロインは出てこない
ファミコンにありそうなマップで永遠と街で様々なお使いをしなければならない
珍かくれんぼ(他のユーザー様の感想参照)はあまりの糞っぷりに笑いが止まらない
後でわかることだが、この序盤の出来事は終盤には全く関係ない
この必要のない設定は、どこで生かされる予定だったのでしょうか?
親父の知り合いの魔法使いや、森で憑かれる住人などの設定は一体どこに…?

この序盤が一番退屈。数々のgiveupユーザーが続出するのは当然といってもいいでしょう


・中盤

兵士となってお城に仕えるところから始まる。
やっとヒロインたちが出てくる……のだが、致命的な欠陥が…(以下、声優で記述
基本的には兵士長のもとにいき、「訓練」「警護」「お使い」などのランダムコマンドを実行するだけ
「訓練」は常に訓練のマップと戦闘時の兵士の配置が同じなため、わかってしまえばマニュアルどおりに指示すれば勝てる(この戦闘のクソさについても後に記述
「警護」は王女様を仲間と警護するだけ。生産性のない会話が多いので退屈
「お使い」は近隣諸国に書状を届ける。たまに山賊がいるが、弱いので戦闘しても楽勝

ここまでは公式サイトに攻略手順が載っているので楽勝……と思いきや、またもや落とし穴がある
公式サイト通りに、あまりに訓練せずに進めてしまうと、中盤最後の戦闘に勝つのが非常に難しい
数十回訓練してレベルあげても、5回に1回クリアできるどうかの難易度
ここで「訓練しておけばよかった…」と思っても後の祭り。中盤最初からやり直さなければならなくなってしまう


・終盤

主人公の体に王家の紋章があったところから始まる。いきなりの貴族待遇に
基本的にはクソ退屈なマップを移動していって、ヒロインたちとエッチすればいいだけ
どの√いこうが、必ず他のヒロインとエッチするというハーレム仕様
だが、肝心のエロは1回3分で終わるという素敵な仕様になっている

この終盤の話はまぁまぁ(序中盤があまりにアレだからだろうか)
ヒロインごとに話が変わっているので、一応周回プレイも楽しめる(√は中盤最後の戦闘前で分岐)
伏線投げ出し、いきなり今まで出てこない&知らないキャラが唐突に出てくるのはデフォですが

せっかくお家騒動の話なのに、主人公が劉禅なので何もしない
主人公が颯爽と敵陣を駆け抜け、ライバルともいえる敵首領との熱い一騎討ち……!などという場面は一切ない
基本的にはベアトリスとアニェスが軍略を立てるのを黙って聞くだけ
それゆえ、世界観が最後までよくわからない



序盤中盤のシナリオは全くの不要だった。何がしたかったんだろう、このゲーム…



・戦闘

戦闘は非常にシンプル。シンプルすぎて泣きそう
魔法・道具コマンドはいっさいない!ただ剣を振るだけ!ホントに2006年の作品か、これ!?
しかも、HPが低くなるとキャラクターが敵前逃亡してしまう(でもって、結局追いつかれて殺される。バカ丸出し)
中盤最後の戦闘は、味方2vs敵4
回復なし・敵前逃亡制で2vs4で勝利することは本当に難しい



・声優

もはや素人。特にシャルロット王女とマルグリット聖女
さすがの私もこの下手さは参った。王女聖女なのに気品なし・棒読み当たり前
さらにさらに、ある会話で、声優が溜息してるのをマイクが拾っている
ちゃんとそこら辺は加工しておこうよ!



・一言感想の羅列
①OPはフルアニメーション。なんという技術の無駄遣い
②アニェスと妖精がいなかったら、このゲームはギブアップしてた
③イレーヌはいなくてもよくね?
④エティエンヌさん、攻略できないし、盲目設定必要あるの?
⑤結局、妖精さんは何なの?
⑥結局、王妃様は(ry
⑦社員はよくこれを発売しようと思ったな…。デバックのときに駄作と気付かなかったのだろうか
⑧マップは無駄に広い上に、村人などのデザインはどれも一緒。バリエーション作ってくれ
⑨それにしても、序盤のかくれんぼは最大のギャグにしか思えない



まさか、この感想を読んで「やってみたい!」と思った方がいらっしゃるのだろうか
もしやってみるのならば、時間をドブに捨てたと思ってプレイしてほしいです
これからも、これに勝る超退屈的クソゲーが出ることを期待しています


…地味に2006年はクソゲーの宝庫ですね。「らぶ+らび」あたりが気になって仕方ありません