過激なタイトルから紡がれるのは、やはり一筋縄ではいかないPLASTIC LABELの作品だった。かつて自分をいじめていたいじめっ子を許すのか、許さないのか。いじめっ子たちをありとあらゆる方法で虐殺していくゲームだと思いきや……。「いじめ」という題材だけでも重いが、明かされる真実と結末は、プレイヤーの上を行く。はたして、TRUE ENDをすんなりと受け入れられる心の強い人はどれだけいるのだろうか。「いじめ」は人生を狂わせ、一生の傷を残すのだ
イライラする!イライラする!イライラする!
・ストーリー
目が覚めると見知らぬ迷路に閉じ込められていた。
何故ここにいるのか全く記憶がない。
武器の入ったトランクケースと、
数字が記されたブレスレットが与えられた。
私はこの迷路から脱出しなければならない。
かつて私をいじめた、いじめっこと対決しながら。
プレイ時間は2時間ほど。攻略順序はBAD→GOOD→TRUE
いじめっ子を全員許す、いじめっ子を許す許さないの混在、いじめっ子を許さないで分岐します
綴られるエピソードはどれもクズばっかで、プレイヤーは「はい、殺す!」と思わせるものばかり
個人的には菓子が一番イラつき、希咲が一番許せるんですが、初見プレイでは全員ぶっ殺しました
屋上からの飛び降り強要、画鋲に顔面を押し付ける、手首を切ってくると、よくまあ主人公は生きてたなあと思います
感想を書いている段階でも、いじめっ子たちの行動を思い出してイライラすること間違いなし!
さて、本作はエディタを使用して、気持ちばかりの移動パートもあります
この移動パートはどれも謎解き、アクション、迷路の3つのルートのパターン変化のみ
8つあるいじめっ子への扉の中がどれも似たようなものなので、思いのほかテンポが悪い
しかし、どのルートもたどり着く先は同じなので、楽なのを選びましょう
個人的なおすすめは謎解き。簡単です。2番目の扉は、総当たり選択すれば問題ないでしょう
ただし、正面ではなく横から出ないと入手できないものがあるので注意
アクションの道中には、特定のいじめっ子への得意武器と、得意武器を手にするためのアイテム
迷路の道中には、いじめっ子が何が嫌いなのかの情報を手にすることができます
8つある扉は必ず時計回りに回りましょう。そうすれば、得意武器関連を効率よく取得することができます
……ただ、この得意武器は、いじめっ子を許し、かつ、その後にぶっ殺すためだけのもの
いじめっ子の対決パートで、大前提で許さない場合や、問答無用で許す場合には全く関係ありません
いじめっ子たちを虐殺しつづけた結果、許していった結果。どれも完全な救いはありません
強いているなら、GOODがまだ救いはあるのか。ただ、現実は……
虐殺しつづけた場合が一番良い結末なのに、BAD扱い
結局、主人公が心の底から強くなるわけではなく、単に他校へ逃げただけ
近い将来、第2第3のいじめが発生して再び自殺未遂を起こすであろう結末であるからこそ、BAD扱いなのでしょう
それにしても、風ちゃんが健気で、可哀想で、やるせなくて
・総評
やはりPLASTIC LABELといった、一筋縄ではいかない展開でした
ただ、込められたメッセージ、結末は想定の範囲外といったところ
いじめイクナイ!家庭も大切にね
・一言感想の羅列
①いじめっ子キャラの馬鹿さ加減を出しつつ、絵が下手なのを有効利用したのはすごい
②千との対決でケリを入れたのは暴力ではないのか
③汚物を給食に混入させた菓子は、もはやいじめ対象だと思う
④当初の立ち絵から、主人公=いじめっ子、風=いじめられっ子だと思っていたが……
⑤それにしても、ふうちゃんが救われない。救われないんだよなあ