「ノベルゲームの枠組みを変えるノベルゲーム。」 なんとも心が躍るキーワードである。エロゲーは90年代後半からノベルゲームという枠にとらわれ過ぎて、約15年もの間、束縛され続けてきた。製作者側もユーザー側も漫然とノベルゲームを迎合している昨今で発売された本作は、見掛け倒しではないかという否定的な意見はあると思う。しかし、おそらく全ての人が、ギア室への入り方については驚愕したのではないだろうか。賞味期限切れが近づいている中、ノベルゲームはどこまで進化できるのかが楽しみである
「ノベルゲームの枠組みを変えるノベルゲーム。」を終了しますか?
・ストーリー
世界は徐々に縮小へ向かっていた
縮小し続ける世界を救うために現れた、主人公(オモビト・コウ)
異世界から来た彼は、はたして縮小し続ける世界を救うことはできるのか?
攻略時間は20時間(うち、思考時間が10時間以上)
自転車創業の「だらよ。3」から実に4年の月日が流れて発売された本作
ノベルゲームの枠組みを変えるノベルゲームは、従来のノベルゲームへの挑戦状です
「ノベルゲームにはまだやれることがある。」果たして、その出来は如何でしょう?
まず、本作は自転車創業作品の中でも、かなり異質です
ゲームを入れてもインストール画面は出てきません。超空間ゲーみたいです
起動してみると、みんなのアイドルであるANOSちゃんが画面ウインドウの外にコンニチハしています
さらに、フォルダには記憶フリッカーちゃんもいたりと、自転車創業に慣れている人ほど操作方法に迷います
そう、本作は操作方法すらもハッキリと示されていません
自分で実際に操作しながら、どうすればよいのかを探らねばなりません
閃くか閃かないか。0か1かという世界なのは、自転車創業にはよくあることです
プレイしていると、まず最初の豆腐屋で詰むことでしょう
いったい何をすればいいのかわからない。ANOSちゃんを近づけてもわからない
あんなこんなで行き来していれば、テキトーに人妻が出てくるはずです
ちなみに人妻の出現条件はまったくわかりませんでした
そして誰もがびっくりしたのが、ギア室への突入方法でしょう
「そんな、まさかなー」っていう方法でギア室への突入できます
フリッカーにギア室を、ANOSで密林図書館で。こうなったらいいなー、というのをやってみると……
これは驚愕ですね。ANOSがこんな進化をしていたとは思いも見なかったです
さらに進んでいけば、一切無駄な場所がないことがわかります
望遠鏡やギアの場所、あらゆる画面のどこかにこれらも隠されています
そんなこんなで頭を使っての驚愕のラスト
突然の思っても見なかった展開で右往左往
電子がプレイヤーの気持ちを代弁しますが、ときすでに遅し
唐突な結末で、終わってしまいます。え、これで終わり!?
投げっぱなしが過去作品の非ではなかったので、ちょっと調べたら終わりのようです。うーん
・総評
「ノベルゲームの枠組みを変えるノベルゲーム。」という名にピッタリな作品です
文字通り、ゲーム画面の枠組みを変えながら作品を進めていく
そして、ノベルゲームでは考え付かなかったギミックを多用していきます
確かに、このギミック、テンションの瞬間風速は最大級でした
しかし、最後の結末が結構ナゲっぱなしなのが気になるところです
よって私の総評は以下のとおり
ノベルゲームにはまだやれることがあったことを証明した
しかし作品のストーリーは未完成であり、本作の手法はまだ断片的である
だが、ここからノベルゲームとの戦いは始まるのであろう
・一言感想の羅列
①人妻の目的はいったいなんだったのか
②ANOSちゃんが最後で変形したのはなぜだったのか
③結局、この世界は死滅したわけですが、他の世界との繋がりはどうなるのか。
④脱出したのは主人公と電子と誰なのか
⑤出番が少ない割りにインパクトのデカい豆腐屋さんと月の修理屋さん
⑥久々にやる自転車創業は、やっぱり凝っていて良いですね