実は、ゲームとしての完成度は、かなりの高さを誇る「変なゲーム」。何が“変”って言えば、ゲームシステムが変、キャラクターも変、ストーリー設定も変、シナリオ展開も変、戦闘システムも変、スタッフロールを見る限り、ほぼ5人でこのゲームを作っちゃった製作陣も変、そもそもゲームCDのデザインが変、さらに、宣伝の仕方も変、それでも発売しちゃった変わりモノ。スタッフに愛されていることがよく分かる作品。
このゲーム「ランス5D」を一言で表すと、「変なゲーム」です。何が“変”って言えば、ゲームシステムが変、キャラクターも変、ストーリー設定も変、シナリオ展開も変、戦闘システムも変、スタッフロールを見る限り、ほぼ5人でこのゲームを作っちゃった製作陣も変、そもそもゲームCDのデザインが変、さらに、宣伝の仕方も変です。
OHPには、このゲームに対して、こんな注意書きがあります。
「注意:こんな人には向きません。
全ての結果や行動が自分の思い通りにいかないと不愉快になる人」
(---Alicesoft Official Homepage)
ですから、「意味不明」と評した人がいるのは、微妙に的外れの評価なのかもしれませんね。
・・・最初っから、そのよーに、言っていますから。
RPGと言っていますが、基本的に行動の成功判定は、乱数で決まり、ダンジョン移動画面なんぞ、ルーレットなので、すごろくやっているみたいです。戦闘システムも、攻撃方法がサイコロでランダムで決まるため、こっちが強くとも、雑魚にやられるときもあるし、逆にやり直したら、あっさり勝てたりします。そのため、オートセーブ・再スタートの繰り返しなのですが、これは、アリスが“エロゲー界に誇る”超安定システムが、大きく貢献しています。実際、Ctrlスキップを継続してプレイすると、1時間も経たずにエンディング寸前までいけます。・・・つまり、そんなことを平気でやっても大丈夫ってことです。
サウンドは、2800円でも、ここまで気合入れられるんだモンね~~というほど。エロゲー界最高クラスの楽師・Shade氏の仕事は、相変わらずです。ボス戦闘曲である「All Your Power」あたりは、勿体無いぐらいのカッコよさなのですが、その実力が本当の意味で示されているのは、キャンプ画面曲「Camp」やADVパートイベント曲「Damp Groove」、妄想シーン曲「The delution」でしょうね。ダンジョン曲の一つ「Japanese Beat」といい、こーゆーのをエロゲーのBGMにしてしまうセンス、既存曲・既存ジャンルににこだわらない姿勢は、素晴らしいですな。
グラフィックは、殆どのCGを、織音絵師が・・自分でデザインして・・・自分で背景描いて・・・自分で原画描いて・・・自分で塗って・・・自分で仕上げたそーなので、カレ流になっています。・・・何もかもが。ちーと、独特な描き方・塗り方をする人なので、アリスファンでも意見が分かれるそーなのですが、違和感が無くなってきている今日この頃。だって、アリスって、複数原画でも、絶対に絵柄を統一しないようなところなので、何つーか、これはこれで、綺麗で良いと思うのですがね。
シナリオは、非常に薄いし、あらすじ書いちゃうと、まるで面白みすらなくなるので、そこな辺りには触れませんが、こんなノリってゆーか、雰囲気を作れるから、俺はアリスが好きなんだなと、再確認したり。処女・非処女へのコダワリみたいのが、リズナ&コパンドンで描かれますが、そんなモンは、ちっちゃいモンだ~~~と、妙に癒されましたよ、ハイ。
判断基準が明確なんですよね、“ランス”というキャラクターは。
「数多の美女は俺の事を好きにならねばならない。」
(---Alicesoft Official Homepage)
・・・とゆー、傍若無人・唯我独尊の面がクローズアップされますが、外面的美醜と同時に、内面的な美醜を判断する面も、キチンと持っている。Hシーンで絶賛したリズナですら、自分へ嘘をついたという“醜”面を見て、あっさりと見捨てているわけです。ランスシリーズに限らず、アリス作品の女の子は、腹に一物をもった娘が多いですが、それを・・・、
外見の“美”の面で見出して、心象の“醜”の面で選別していく・・・
(それは、純粋であるはずの海苔子を見捨てて、結局、リズナを助けちゃったり、あてなとの積極的Hは拒むくせに、シィルとは、すぐにHできてしまうことに象徴されるように。)
・・・そんなランスが、カッコいいのかもしれませんね。
・・・そして、ナンダカンダ言いつつ、シィルに依存している姿も。