フリーゲーム。たぶん俺はこの先ずっとエロゲも同人も、コンシューマだってやり続けていくと思う。が、このゲームを超えるワクワクドキドキにはもう出会えない予感がある。ネタバレは殆どないと思うけど一応
これ登録していいもんか正直迷った。どう見ても一般ゲーだと思うんだよね。
でもシル幻が登録されているのを発見してしまって我慢できなくなった。もぉう我慢できない!!(ケロッグコンボ的に)
シル幻もツクール製RPGだし、紙芝居じゃないからダメだって事もない気がするし、登録がてらレビュー。
あ、ちなみにシル幻もかなり面白いっすよ。
じっくりやっても7~8時間くらいでクリアできる中世ファンタジー風RPG。
開始時にまず自分の分身として主人公を作成する。
性別と併せて、クラスを戦士/盗賊/僧侶/魔術師から選び名前を付けたら完了。
そしてこのクラスによって出生がそれぞれ異なっていて、性別と併せ計8パターンで物語を楽しむ事ができる。
PCエンジンになんかそんなのあったよね。名前忘れたけど。
ちなみに主人公はドラクエ的と言えばいいのかな、最初から最後まで一切喋らない。良く判ってるよ作者!!
このゲームの特徴はRPGである割にフィールドの移動(方向キーを使って動かすアレね)が無いこと。
街や洞窟などにはポイントが点在し、そのポイントからポイントへ移動する形になってる。
そしてこのポイントでは必ずなんらかのイベント、もしくは場景を表すテキストがある。
これのおかげで単なる通路一つとっても移動してみるのが楽しみなんだよね。
イベントでは強力な敵が出てきたり、アイテム入手だったり、肩の力が抜けるようなものから謎に迫るものまで多彩で
「一体何があるんだろう?どんな事が起こるのかな?」っていうワクワク感が常にある。
取り立ててイベントがなくても、想像力を喚起するような場景解説があるのでハズレがない。
オッサン世代じゃないと判らないかもしれないけど、ゲームブックの感覚にかなり近いね。
「右へ行くなら38ページへ、左に行くなら14ページへ行け」みたいな。
このページをめくる時ってもう、楽しくて楽しくて仕方がなかった。よだれ垂れそうだったもんな。
作者がTRPG畑の人らしいと聞いてなんか色々納得。
システム的にはレベル上げの必要が全く無いように調整されている。
雑魚戦では殆どEXPが入らない代わりに、上記のポイント上で起こるイベントで
大量にEXPが入るようになっていて、これのおかげでサクサクと物語を進められるようになってる。
じゃあ戦闘部分はおまけなのか?というと全くそんな事はない。
主人公自体、成長のさせ方にかなりの自由度があるし(サマルトリア型なんかも作れる)、
PTメンバーの構成によっていくらでも戦法を変えられるようになってる。その上装備アイテムも豊富。
速攻型や防御上げて粘り勝ちとかね。自分の思い入れのあるパーティー構成で、それに適した戦法を取る事ができる。
というか要所要所のボスがかなり強く、考えないとかなり苦戦する程度に手応えもある。
またタイムアタック的なやり込み要素もあるし、素材収集や鍛冶まであるので
少なくとも2~3周くらいまでは、攻略的な意味で飽きを感じる事はないと思う。
パーティーメンバーはもちろんNPCも個性を感じさせるキャラが揃ってる。
「流浪の隻腕じいさん剣士」「いかついハゲ神官」「ツンツンツンツンツンデレ遊牧民」とかね。「メイド忍者」もいるよ。
まあ皆べらべら喋ってくれる訳じゃないんだけど…性格というのが強く感じられるような
それぞれに味のある喋りをしてくれる。記号臭さがあんまりないんだな。
キャラ絵がちょっとアレなんだけど、たぶんすぐに気にならなくなる、と思う。
更に戦闘面でも個性的で、例えば同じ直接攻撃系でもパワー型・スピード型・補助型などかなりの違いがある。
周回プレイしたくなる理由の一つがこれで、ついつい色んな構成を組みたくなるんだよね。
ストーリーは別にびっくり仰天するようなものじゃないんだけど、いやちょっと予想外だったけど
こう、盛り上げ方が上手いというか…きちんと面白さを感じられる王道とでもいうのかな。起承転結がしっかりしてる。
この世界に入り込む事から始まり、探索・冒険の面白さを知って、大きく話が動き出し、
そしてアイデンティティを賭けた最終戦。
この最終戦はロマン溢れる場景や演出とそれに至る過程にBGMまで相まって、正直最高だった。
こんなに盛り上がったのは小房の頃のゾーマ戦くらいかな。ひかりのたま使ったときには尿漏れ起こしたもんだ。
道中のイベントも面白いものが多々ある。女僧侶とメロダークの犬イベントや、ハゲからの○○の継承とか良かったなー。
シーフォン絡みやキレハのアレも外せないしよー。
あ、一応好感度パラメータもあって、一番仲の良いメンバーとエンディングを迎えるようになってる。
とにかくロールプレイングゲーム、としての楽しさがいっぱい詰まってるね。
それは冒険であったり、敵との戦闘であったり、はたまたキャラ間の絡みであったりする訳だけど
そのどれもが主張しすぎない感じでバランスよく出来てた。
欲を言えばキャライベントはもう少し欲しかったけどね。
ただ、もしかするとオッサン世代じゃないと通用しない面白さなのかもしれない。
主人公勝手にベラベラ喋ってんじゃねえよ^^とか、Wizardryでキャラ名考えるのに1日かかるとか
そういう人ならまず間違いなく楽しめる、と思う。要は想像して楽しむ事が好きな人。
年重ねて色んなゲームやってるとさ、どうしても捻くれた見方をするようになっちゃうんだよね。
自分でもそういう自覚はある。だけどこのゲームはもう100%、何にも考えずに「最高!!」と言える。
コンシューマならそういうのもいくつかあるけど、まさかフリーの同人ゲーでそんなものに出会えるとは思わなかったよ。
こんなベタ褒めの文章なんてもう書く事ないんだろうな。でもホント楽しかった。
もしコンシューマでリメイクして発売とかされたらハードごと買うねマジで。
100点つけてもいいんだけど…初の100点はできればエロゲ畑から出て欲しいという縁起をかついでこの点数。