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2dconさんのSoranica Eleの長文感想

ユーザー
2dcon
ゲーム
Soranica Ele
ブランド
light
得点
75
参照数
766

一言コメント

面白さはルートによります

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

  まずは文句を言わせていただきましょう。規定の順番でクリアしなければならないってちょっと辛いと思いますね。でもルートの内容に確かに順番がありますので仕方ないといえば仕方ないことですが。
  まずは菊哉ルート、内容は大概共通ルートのものですが、最後主人公が菊哉助けようとしたあげく、ラスボスになったって正直驚きました。でもここは一つの矛盾があります。ゼノビアがラスボスになった主人公が作ったものなら、このルートでゼノビアは存在しなかったはずです。
  それで鳴ルートですね。一番嫌いなキャラです。自分はありふれた幼なじみキャラを攻略しない主義ですから(ただしその幼なじみが年上ならば別ですけど)。存在自体も性格もお約束の幼なじみ。そしてこのルートには唯一のみんなが幸せになるハッピーエンディングがあります。
  三番の未明ルート。個人的にはこのルートが一番好きです。みんな消えましたけど、主人公と未明の子供は生き残って新世界へ行く。別に大した凄い展開はありませんでしたが、このルートだけは、「終末」の雰囲気が一際強いです。世界で最後の結婚式を行い、残り少ない幸せにしがみついた主人公たちに「終末」の雰囲気が相まって、最後に未明と司の出会いを遡って、夢みたいな恋物語を更に昇華させて、とても「人間らしさ」の悲壮的な感動を感じられます。
  四番目のさやルートは日常系のものです。普段は日常ものに飽きましたけど、何故かこのゲームで出たら段違い感じがしますね。なんか、「普通」というささやかの幸せの貴重さを思い知らせました。私にとっては未明の次に二番感動させられたルートです。世界の終わり寸前に二人が愛の言葉を交し合ったところで、ちょっと涙もでました。最後はさやだけが主人公の日常として生き残って、何故そうなるか正直分かりませんが。
  五番目のカグヤは、ちょっと脱線気味がします。終盤まではロマンを欠けています。カグヤの性格で雰囲気を全部台なしにした気がしなずにいられませんね。
  そしてゼノビアルートです。司がとんでもない力を目覚めて愛する女のついでに世界ごと救ってあげてめでたしめでたしってファンタジー的な展開で特に感想はありません。
  七番目のオフィーリアルートはちょっと鳴ルートに似ています。結末はゼノビアを倒して新世界が始まったらしいです。正直に言うとわけがわかりません。
  最後にMy Clear Sky。ぶっちゃけハーレムルートです。特に何もありません。戦闘部分がきざい。他人と一緒に生きることの意味を思案していたようでした。ちなみに終盤は主人公に音声あり、なんか悪役っぽかったです。

  つまるところで、もし未明ルートとさやルートだけで考えれば、満点にしなくもないでしょうが、興味もないルートをクリアしなければ進めないというのはやり辛いでした。