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野菜炒めさんの一緒に行きましょう逝きましょう生きましょうの長文感想

ユーザー
野菜炒め
ゲーム
一緒に行きましょう逝きましょう生きましょう
ブランド
ウォーターフェニックス
得点
75
参照数
12

一言コメント

ロリと旅する世紀末

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

戦争のせいで生物が死に絶えたらしい世界で人類代表(と言っても1人しかおらんけど)として戦争絡みで死んだあらゆる生物の死を追体験するという罰ゲームを神様に強いられる少女という設定。

なんでこんないたいけなロリ子にこんな体験をさせるのか?
それはそのほうが悲壮感が増すからだろうが狙い通りこの辺は結構エグい。

ほんとの序盤は淡々を死んでいくからそこまで何か思うとかはないんだけど段々と情がわいてくるとね。
一応死んでもすぐに生き返るから悲しいとかは無いんだけど痛みは感じるから可哀そうになってくる。
作中でも言ってたけどこの子に罪はないわけだし。
なので自然な流れとして神様になんかムカついてくるわけ。

そもそも神様とやらが本当にいたのかという謎もあるが。
作中にその姿は一切見せておらず台詞も全く無い。
あくまで少女の頭の中だけの存在ではあるが死の追体験とか
アンパンマンの顔と似たようなもんで
どれだけダメージ受けても生き返れば新品の体になるという超常現象は神の仕事と言うしかなく。

それにすべての死を体験し終えた後はEDで段々と地上に緑や水が復活してきてるからそこも考えたら
神様はほんとにいたんだな~と思うしかなくなる。

唯一の人類がロリ子なら主人公はなんなのか。
序盤からただの人間でないことは散々匂わせてたけど正体は脳だけ人間。
喋る・・というかロリ子と意思の疎通は可能。

この2人が荒野を旅しながら最初は無表情だったロリ子に感情が芽生えてくるわけ。
こういうとこは割とベタだとは思うんだけどロリ子が可愛いを通り越して尊いの。
それだけでしばらく見てられるくらい。

ラスト間際で生物認定された主人公を殺すことでその死を追体験してすべての罰が終わるというある意味予想通りの
展開になりここで色々あって主人公が死ぬことでロリ子は死の追体験という罰ゲームから抜け出せるわけ。

ゲームとしてはここで終了してこの後EDで1人旅するロリ子を見ることになるんだけどここだけだとビターエンドになってしまう。
これはこれで印象には残るからアリではあるのだけど。

この子は死ぬことはないのだけどそれでもずっと1人だと寂しさはあるし多分楽しくもない。
誰か気の合う相棒が隣にいてこその幸せ?
なのでエピローグで記憶は無くしてると思われる主人公が生き返ってそれを発見した少女が満面の笑みになるあの終わり方はどう見たってハッピーエンド。

主人公生き返りは確かにご都合主義の極みではあるけどそのくらい別にいいかな~と思えてしまうくらい過酷な年月を生き抜いてきたわけだから。
今までムカつく奴だとしか思われてなかった神様のご褒美?的なものなのかなと。
少しはいいとこあるじゃんみたいな。

おそらく1人よりは2人?
誰かといることの幸せ?的なことが伝えたかったのかなと。
まぁ違うのかもしれんけど。