基本的には良く出来ているものの、肝心なところで足りていないような惜しい作品。物語構成はなかなかよくて、主人公激ラブな姉とツン隠れラブな妹との主人公姉妹、基本的に良い友達の紗香とたまに主人公を意識してる優香の美浜姉妹、主人公のクラスメイトで異性問題に弱い真面目な真衣と耳年増で主人公を挑発するまゆとの牧ノ瀬姉妹といったように、主人公に対する好感度が「友だち」くらいの関係からスタートしながら、夏休みに至る前でお互いを徐々に意識するようになっていく恋愛描写は夏間近のナマ暖かい雰囲気がふわりと伝ってきて、牧ノ瀬姉妹はやや青臭い成長物語ふう、美浜姉妹はほっこり良い人たち話、主人公姉妹は基本イチャラブオンリー展開とルート毎に変化を加えながら姉妹ハーレムもいれちゃうサービス精神も高評価。ただ共通のウェイトが高すぎ個別入ってすぐ告白という構成が、友だちからの恋愛の発展という基本物語を弱めてるのが残念だった。
・総CG枚数(差分無し)88枚 総回想数41枠
・キャラ別CG(エロCG)&回想数
琴音 12枚 (9) 5回
詩帆 12枚 (9) 6回
優香 11枚 (8) 5回
紗香 12枚 (9) 5回
まい 12枚 (9) 5回
まゆ 12枚 (9) 5回
牧ノ瀬姉妹ハーレム 5枚 3回
美浜姉妹ハーレム 5枚 3回
姉妹ハーレム 5枚 3回
その他 2枚 1回
(備考:その他は社姉妹のオマケセックス)
)
簡単な説明:クリック数つーのは、既読スキップオン+テキスト速度ノーウェイト環境下で計った、ゲーム開始時から作品を終えるまで各シナリオ毎のクリックの合計回数のこと。
(1)初回プレイ時の「共通」+「個別」のシナリオの総容量が分かる
(2)2周目以降の、共通シナリオを除いた個別シナリオの総容量が分かる。
(ゆえに、一周目のヒロインルートはクリ数が多く、二周目以降はたぶん半減するが、一周目の「個別ルート」が他よりも長いというわけではないので注意)
(3)エロテキストのクリ数と。それを含んだ全シナリオのクリ数を比較すれば、両者の割合もある程度はわかる。
(4)テキスト速度の環境さえ同じなら、プレイ時間と違ってユーザーによる計測誤差は少ない。
といった四点が指標として役に立つとバッチャが言っていたような気がしないでもない。
(5)BCは主人公とヒロインが恋人になる前までのクリック数で、ACは恋人になったあとのクリック数ね。
「その恋人になった「まえ/あと」ってどう定義するの?というのはなかなかにむずかしい話であるが、大抵のエロゲには告白CGなるものがありますからそこを基準にします
そういうCGがなかったり、なんかズルズルだらしない感じでずっこんばっこんなシナリオの場合は、まぁ僕がテキトーに判断しますが、その場合は「?AC6992」みたいに?をつけまつ。
そういや「誰とも付き合わないシナリオ」っていうのもあらわな。そう言う場合は特にACとかBCとかは書きません。
1周目 まゆ 「23311」 (共通ルート込み)BC17556 AC5755
2周目 真依 「5846」 BC598 AC5248
牧ノ瀬ハーレム 「3354」
3周目 優香 「7638」 BC1564 AC6122
4周目 紗香 「6764」 BC887 AC5877
美浜ハーレム 「3455」
5周目 琴音 「7555」 BC1332 AC6223
6周目 詩帆 「8958」 BC1884 AC7114
姉妹ハーレム 「3557」
(備考:ハーレムルートはまぁ片方がハーレムにノリ気で片方がイマイチって感じが最後まで続く内容なのでBCとかは形容しにくく。あと社姉妹のノーマルエンドセックスルートもありますが400Cぐらいなのでまぁ)
・各キャラのHシーンのクリック数
まゆ 1:318 2:228 3:309 4:179 5:182
真依 1:348 2:316 3:363 4:125 5:278
優香 1:238 2:128 3:119 4:223 5:268
紗香 1:357 2:281 3:305 4:168 5:343
琴音 1:378 2:432 3:364 4:382 5:339
詩帆 1:361 2:165 3:152 4:282 5:337
主人公姉妹ハーレム 1:473 2:198 3:435
牧ノ瀬姉妹ハーレム 1:436 2:250 3:447
美浜姉妹ハーレム 1:248 2:345 3:483
社姉妹セックス 1:501
☆作品の大まかな評価。
簡単な説明:これはもうそのまんまですな。一応Z~SSSまでの評価基準が存在するらしいのですが、大抵はC~Aの間に収まっているようです。
「C」がだいたい「やってもやらなくても別にいいんじゃね」。「B」が「やればけっこう面白いんじゃね」。Aが「やってないヤツは人生つまないんじゃね」。
といったかんじになっております。あと「全体評価」っていうのは、その項目における「作品全体」から感じる何となく駄目だとかイイとかそういう評価です。
あと、これは当たり前すぎて却って説明しにくいものですけど、僕の定義による「シナリオ評価」ってヤツは「感動させなきゃダメ」とか「深いテーマが無きゃダメ」とか、
そういうヤツではなくて、基本的には「その作品が目指していると思われるものが、どれくらい達成されているか?」というような「完成度」評価に近いものかも知れません。
ですから、原理的には抜きゲであろうと萌えゲであろうとシナリオゲであろうとも、その作品が目指しているものが完成されていると判断すれば、シナリオ評価は高くなるって話です。
・シナリオ評価
まゆ B-
真依 B
優香 C+
紗香 B+
琴音 B+
詩帆 B+
主人公姉妹ハーレム B
美浜姉妹ハーレム B-
牧ノ瀬姉妹ハーレム B-
全体評価 B
・エロ評価
まゆ B+
真依 B
優香 C+
紗香 B+
琴音 B+
詩帆 B+
主人公姉妹ハーレム B+
美浜姉妹ハーレム B
牧ノ瀬姉妹ハーレム B
全体評価 B
・イチャラブ評価
まゆ B
真依 B
優香 B-
紗香 B+
琴音 B+
詩帆 B+
主人公姉妹ハーレム B
美浜姉妹ハーレム B
牧ノ瀬姉妹ハーレム B
全体評価 B
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まぁ基本的に充分楽しめたから良作認定しても良かったんですけど、こうなんか「もう少しここをこーすれば良かったのになぁ」みたいな「惜しい」所が目立ってしまい、その充分に楽しめた良いところの評価をちょい下げてしまっているような作品でありました。
ひとことコメに書いたとおり、序盤から中盤の雰囲気は結構好きだったんですよ。この作品、物語プロット的には「主人公姉妹が帰ってくる」ところから物語はスタートするとか書いてあるんですが、そこまで行くプロローグ部分がわりと長くて、そこで語られる牧ノ瀬姉妹と美浜姉妹の日常描写が、まぁわりと良い感じの平凡な日常だったんですよね。特に牧ノ瀬姉妹は親が中華屋をやっていて、2人の姉妹はそこでも働いていおり、主人公はときどきその店にも行くんですけど、その商店街を通って馴染みの中華屋に純粋に食べ物目当てで入って、そこに友だちの姉妹がいるみたいな十代の風景ってなんか素敵じゃないですか。そこでメシくったりして、ちょっとその姉妹も外で会話したりして、んで夕暮れの風景のなか1人で家に帰るみたいな毎日が結構リアリティがあって、ああ、久しぶりに「明るくて騒がしい」だけの萌えゲーじゃないなぁと思って結構きたいしていたんですよ。
主人公姉妹が帰ってきてからも、そこらへんの日常描写の良さは変わることなく、主人公激ラブな姉の存在によって、今までちょい主人公のことを気になっていたヒロインが主人公を少し意識するようになり、それが逆に主人公を意識させ……といった、
友だち関係から始まる恋愛感情の微妙な連鎖反応を日常描写の中で距離感を取りながらも描いていてええ雰囲気だった。そこから先は基本的に各姉妹のミニイベントみたいなものを消化しながら、その中で選択イベントを幾つか織り込んで攻略フラグを確定させていくだんけど……このイベント自体はよかったとしても、その「共通ルートで友だち関係からの恋愛感情を描いてしまう」っていう√構成は拙かったのねん。
だって、先に書いたとおり、そうすると「共通ルート内で恋愛描写フラグイベント」を確定させてしまったら、その分岐後はまぁ「いきなり」とまでは言わなくても、主人公とヒロインの「恋愛感情」が確定した状態でそのヒロイン√が始まってしまうのね。これは一周目の状態ならまぁいいんだけど、二周目以降はその「共通ルート内のイベント」はほぼスキップされてしまうので、プレイヤーとしては「主人公とヒロインが好き合っている」個別ルートから物語を読んでいるような状態になり、恋愛物語としては唐突感がつよいわけですよー。これ、キャラが少なく√数も少ない(だいたい4√以下)ならマイナスは少ないんだけど、この作品の場合ヒロイン数が6人で姉妹ハーレム√もあるから実質9ルートもあるわけじゃない。そういう攻略ルート数が多い作品で「でも共通ルート内で恋愛感情の確定イベント」をやってしまうと、だんだんその「共通ルートの雰囲気とか伏線」みたいなものをユーザーは忘れてしまって、個別ルートが唐突に思えてしまうわけ。
そしてそれは個別ルートの評価にも結構反映してくる問題なのじゃよ。例えば、牧ノ瀬姉妹√とかは「共通からやらないとその雰囲気に乗れない」ようなシナリオだとは思うんだよね。このシナリオは良くも悪くも05年くらいの萌えゲーを彷彿とさせる、
青臭くてわりとガキな主人公と似たようなレベルのヒロインがちょいとした喧嘩を乗り越えて成長するようなお話で、まぁ僕はこの手の話もわりと好きなので問題は無いの。だけど、この手の話って「主人公は青臭くてバカだけど良い奴なんだなー」とか「ヒロインも割と自分勝手だけど子供らしい純粋さもあっていいなぁ」とか、そーいう「恋人になるまでのヒロインや主人公の描写の数々」がないと感情移入しにくいじゃないですかぁ。例えば、この姉妹のルートを他の攻略ルートをやったあと「共通ルート抜き」でやったとしたら、まぁ僕としてもガキな主人公とガキなヒロインが軽薄に好きになって、軽薄な喧嘩をしてるなぁっていうくらいに思ってしまう可能性はたかい。この手の「やや愚かな思春期主人公たちの恋愛」を描くとしたら、それはやっぱりその恋愛感情の芽生えから告白にいたりそして恋人関係になるまでを、まるまる個別ルートで描かないとキツイかなーと僕は思うわけですよ。僕は初回にこの姉妹のルートを選んだのでまぁそこそこ楽しめたけれども。
美浜姉妹は、まぁ優香さん√は共通から入ったとしても、ちょい擁護しかねる内容というか、よくもまぁこんな主人公のことを好きになったなぁと思える内容でしてねぇ。いや、これも「実はかなりお調子者の主人公」ってあたりを共通ルートの中に入れていたら、もしくはそういう内容の友だち関係からちゃんと発展する個別ルートに書いていれば良くなかったかも知れないんだけど、付き合い始めたら優香さんに悪戯セックスしまくっちゃう日々が続いて、しかも優香さんが基本それで怒りまくる展開つーのは、流石に「ちょい愚かな主人公」という設定にしても「そりゃあんた怒られて振られても当然だわ」としか思えずちょっとねぇ。しかも一日のデートで三回もセックスして怒られるみたいな、ヤリ盛りの主人公の描写が妙にリアリティがあって笑えてしまうところも恋愛物語としては結構アレだしぃ、主人公と付き合っても優香さんの恥ずかしがり性格は変わらないばかりか、100%主人公のせいで悪化しているようにしか思えなく、そこらへんの描写と後半の優香さんは実は「ちゃんとした偉い生徒会長さんでした!」に殆ど関係ないのはちょっとねぇ。んでこの優香さん√をやったあとに紗香√をやると、優香さんには申し訳ないけど、主人公のやや軽薄な性格と紗香のやや内気な性格の相性が付き合ってからさらに良くなっていく感じが、ああ優香さん良いダシに使われたなーって感じでありまして。
この「クラスメイトでありながら少し内気な性格」でやや感情が薄いCV:みるボイスという「多少の親しみとほんの少しの幼さ」を感じさせるロリ顔巨乳ボディってあたりで、個人的にはもうスリーカード揃っているんだけど、そこにやや軽薄な主人公が加わって、ちょい危なげな調子で有りながらも、必死にこの紗香たんを見守りリードしてあげようっていう不器用さと、それに健気に応えようとして突如エロいお願いをしてしまう紗香たんっていう展開がにフルハウスでしたよ。いやこのシナリオは結構良かったですよ。主人公のガキっぽさっとヒロインの幼さがちょうど良い感じに合わさっていて、お互いがお互いを補いながら微笑ましい恋愛関係を構築しているような毎日が羨ましすぎて。後半の展開も紗香たんの人見知りを治すという、それ自体はベタな展開ですけど、主人公と恋人になったことで人とふれ合うことの楽しさをちょっと知った紗香たんが、主人公を頼りながらも、自発的に行動しようと動くところが先の恋人描写から綺麗に繋がっているので、萌え描写的にもシナリオ内容的にもちゃんと説得力があった良シナリオだと思いますた。
主人公姉妹ルートは、ある意味で「友だちから恋人への恋愛描写」が要らないっていったら語弊になるけれども、先の全ての√におけるこの姉妹の何気ない描写がチカラになるようなお話ですね。僕はひとことコメで「基本的にイチャラブオンリー
√」と書いて、それは基本的には嘘ではなく、両方のシナリオにおいても何らかの障害が後半に語られるわけではなくて、イチャライチャしているうちにいつの間にかその問題らしきモノは解決していてハッピーエンドみたいな流れではあります。だけど
単にイチャラブ描写だけが語られるブツ切りシナリオであるわけでもなくて、ここで語られるイチャラブの質は、基本的にそれまでの共通ルートやまた「他ヒロインにおける姉妹の描写」で描かれていた姉妹の行動や言動を180度近く「ひっくり返して
別の角度」から見るようなイチャラブ描写だといえようか。まぁ詩帆の場合はツンデレキャラのお約束であるところのツン→デレ変化が起こるので、わりと性格自体が変わるってところはあるんですけど、琴音さんの場合は動かざること山の如しって感じでちっと性格自体は変わらないのに、琴音さんからこちらが受ける印象はだいぶ変わってくる。
一つには今までは「琴音:弟LOVE→主人公:やめてくれ姉さん」の日常コントがLOVEの双方向になることで、どちらかというと主人公の姉LOVEのほうがやや優勢になり、琴音さんのほうが恥ずかしがるようなケースが増えること。今までは攻める方だったけど、弟に攻められる経験値はゼロに等しいからそこで恥ずかしがって悶える琴音さんも可愛いという話であるが、だがしかしあくまでそれは表面的な描写に過ぎない。この自身の√における琴音さんは、なんというか非常にしっかりしていて、とても安定感がある。それは良く言われるような「完璧超人」とか「何とかスキル最強」みたいな話ではなく(そういう意味ではわりとへっぽこ系ではあるが)全ての行動と言動に(それが間違っているかどうかは関係なく)迂闊に反論を許さない明確な根拠を持っており、琴音さん側から甘やかしてこなくても、此方の方から甘えたくなるとのは違って、そういう明確な目標と愛情を持っている姉さんを精神的に頼りたくなるのだ。そしてそれは別に琴音さんが弟と結ばれたから得たものでなく、その力強さは他の√や共通√にも存在していたのだということを微かに匂わせるイチャラブ描写なのである。これには声優さんの演技も一役買っていて「宮沢あゆな」さんはどのルートでも琴音さんの感情表現をあまり変えようとしない。エロ演技を除けば、共通√や他√の琴音さんと個別√の琴音さんはあまり変わらず、いつだって「明るく自信に満ち溢れた弟LOVE」を繰り返しているだけで、そのあまり年上らしくないやや子供っぽい琴音さんボイスを作品の始まりから作品の終わりまでずっと聞いていると、姉属性にあまり縁の無い僕でも、ずっと変わらず弟を守り続ける姉さんって素敵だなぁと思わずにはいられない。もう、こういう姉さんが恋人にいる以上、主人公に出来ることはコレしかない!と決断するエンディングも自然な流れで実に宜しい。
妹の詩帆は残念ながら琴音さんに比べるとほんの少しだけインパクトは弱くて、それはやっぱり「世間的常識を持った妹の葛藤」という奴が、いちおうこの個別ルートの前半においても書かれてはいるんだけど、こういう「抑圧的問題」というのは(いやぼくはそーいう近親相姦葛藤納豆描写が萌え!って人ではないんですが)別にそのプンプン描写をながくしろって話ではなくて、抑圧の結果から生まれた自分のあまり好きではない性格に縛られている嫌な自分みたいな思春期的な自己嫌悪感と裏腹の劣情みたいなものを、もっとエロく書いたほうが説得力が出るのよねぇ。ただ、告白後のイチャラブにおける「じっくりと丸くなっていく」詩帆たんの描写はなかなか上手くて、表面的には未だに恥ずかしがりながらも、兄のほうからイチャやエロを求めると
此方が予想していた以上のレスポンスを返してくれたり、世間で認められてる常識の範囲内の行動においては「これは世間では常識だからデレまくって良いんじゃ文句あっかゴルぁ」って感じの強烈なアッパーを噛ましてくれるところも素晴らしい。詩帆たんは、二次元界隈のお約束であるところの「マズ飯」スキルを持っていて、まぁお約束通りにマズ飯を作ってしまうわけだが、穏やかに慰めようとする主人公に対する詩帆たんの反応が素敵過ぎる。いいえ、お嫁さんは兄さんにちゃんとしたご飯を作ってあげなきゃいけないんです。ですから慰めはいりません!だけど……ちゃんとしたご飯が作れるようになったら、そのときは……御褒美を下さいね、兄さん♪みたいな「真面目モード」からの「デレ切り返し」がすげぇ可愛いのですよ。エンディングに至る流れも、その真面目であるが故に最後まで筋を通してデレまくる詩帆たんだからこその成長シーンが結構感動的に語られており、この姉妹√は総じて両方とも完成度が高いなぁと思わせます。
んで、この作品には他に「姉妹丼」√というのが「それぞれ」用意されているんですね。これは上のデーター欄を参照すればわかるように「全ヒロインのハーレム」√みたいな一括ハーレムルートとは違って、各姉妹ごとに独立した姉妹丼ルートが用意されていると言うことです。この姉妹丼√、今のパッチだと確か各姉妹の好感度を一定にすればいつでも√に入れるような状態になっているはずだけど、発売後確か一ヶ月ぐらいは攻略制限が掛かっていて、それぞれの姉妹をクリアしなきゃその姉妹の姉妹丼ルートに入れなかったわけですよ。ってことは基本的に「姉妹√を前提としたシナリオ」だとは思うんですが、どーもその辺が中途半端で、上の容量をクリ数を見る限り「オマケ」以上のハーレムシナリオではあるんですが、基本的にどの√も似たような感じなのがアレなんですよね。牧ノ瀬姉妹√はまゆが、美浜姉妹の場合は紗香が、主人公姉妹の場合は琴音さんが、それぞれ3P関係を積極的に推進していく巻き込まれ方ハーレムコメディになっていて、まぁハーレム推進役ヒロインが主人公を誘惑したり、ハーレム消極的ヒロインをエロ墜とししたりして結構エロいんですが、どのシナリオも同じような3P展開で少々飽きるのも事実だし、共通ルートにおいても個別ルートにおいてもせっかく姉妹関係の描写をちゃんと書いているんだから、基本的には最初からわりと3人一緒にイチャイチャするようなお話を書いたほうが良かったんじゃ無いのかなぁ。それだとその3Pエンドがトゥルーっぽく見えてしまうから、辞めたのかも知れないけど。
ってことで、こーしてみると、各ヒロインルートも多少の不出来はありながらもそこそこ良いし、また作品全体としても、例えば主人公姉妹の全ルートの存在感を生かしたシナリオ作りとか、それなりに計算して作っている作品だと思うのだ。付けくわえるなら、この作品は基本ライターが1人で書いているらしく、それが故かどうかはしらないけど、どのルートにおいてもキャラティストが変わらないのはおろか、他ルートのキャラも他ルートと同じような雰囲気で出てくるので、作品全体が単なる個別ルートの集合体ではなく、それらの個別ルートが作品全体の雰囲気を通してゆんわりとした繋がりが自然に伝わってくるのもよかったとおもう。
でも、それが故に「あと一歩たりないんだよなー」って所が目に付いてしまうのも事実。正直なところ、この作品の共通ルートを分解して、全ての個別ルートを「友だち関係のところ」くらいからスタートさせたら、まぁそうなると個別テキストは増大するから、何人かのキャラは削らないと駄目だっただろうけど、たぶん堂々たる良作に仕上がっていたとおもうのだ。ハーレムルートもひたすらエロ展開ではなくて、もっと姉妹の関係を重視したようなシナリオを書いたりして、日常雰囲気を重視する萌えゲーとして、細部描写の蓄積がそれぞれのシナリオにミクロレベルで繋がっていくような作品が出来たんじゃないかと思う。逆に言えば、この作品は個別ルート内ではそれがわりと出来ているし、作品全体としてもそう言う方向を目指していた。だからこそ、その日常描写でいちばん肝心である「ヒロインと主人公がくっつまでの恋愛描写」が「既読スキップ」されてしまうのは、痛恨の一撃だったのよ。
多少さくひんの内容と直接関係ないけど、それなりに今作に関係ありそうな外部要因を言えば、まぁこの作品はその中でもかなりマシな方だったけど「短期的効果」とか「部分的要素」だけに目がいっている作品つーのは上のような失敗をよくやらかすとおもう。たとえばこの作品にしても、売りは「イチャラブ」とか書いているから、その流れで「兎に角、恋人になった後の描写が重要だから、その前の恋愛描写は共通ルートで済ませとけ!」とかなったかも知れないけど、まぁそういう風に作って上手くいく作品(ラブラブルとか)も僕は好きだし、そういう作品の作り方も有りだとは思うけど、でも今作の個別ルートのプロットや作品全体の世界雰囲気としては「個別のルートのイチャラブだけ書けば良い」という話ではないし、逆に言えば「個別ルートの告白後のイチャラブ描写」を少しは削ったとしても、先の「友だち関係の恋愛描写」をちゃんと書いたほうが「イチャラブ感」は高くなる作品だったと思うのだ。なるほど、僕らレビュアーやそうした作品評価の言説においては、単純に整理のために「
個々の要素」について「○○が良かった」と、あたかもその作品の全体からその「一部だけ」を切り出すことが可能かのように言及しているかのように思う人はいるだろうけど、これは端的に間違いであって、それは単に「結果的にその○○が印象に残った」と言っているだけに過ぎず、そしてその作内の「○○」という奴は、その作内における色々な作品過程の中で産出されたものなのだ。だから、別に「イチャラブ」だけじゃないけどその何らかの「○○」を売りにしようとする場合は、その「○○なシーンだけを書けば良い」というのは端的に間違いであって、その「○○という奴をどのように成り立たせるか?」ということを考えるべきだとおもう。この作品はそれに7割ぐらいは成功しているけど、残りの3割の所で失敗している。それくらい「○○げー」というのは、実はとても難しいジャンルなのであったのだよ。
最後にエロについて少々語っておくと、琴音さんパイズリ優遇されすぎ!牧ノ瀬姉妹も美浜姉妹も何故かパイズリ無しで無駄巨乳ぶら下げてるんじゃねーぞゴルぁと思ったら、琴音さんがパイズリ独占している為だったとは!うーむ、流石にメーカー内で
絶大な権力を握っておる羽鳥ぴよこ氏じゃ。他ゲンガーのパイズリCGなぞ氏のアイアンハンドで容易くブチャぁぁぁぁぁと握りしめられるであろう……いや、うえの通りに主人公姉妹を最後に回したので、他姉妹ルートで「ねぇ?なんでパイズリCGないの。おかしいじゃんフェラとかあるし、ティムポをあと数センチ近づけばパイズリなんだよ?どうしてそのティムポを胸にいれねーなんだよ!」と結構憤慨したんですけどね!
か、エロシーンはそこそこ良いのに、そのパイズリ無しが気になってあまり気持ち良く抜けなかったというのはやや残念……ってまぁ僕の故人性癖のお話は置くとして、
えー、まずCGの方からいくと「表情エロ:たつみ>ぴよこ=カズナリ」「身体の柔らかエロ カズナリ→ぴよこ→たつみ」「身体の骨格エロ ぴよこ→たつみ→カズナリ」「構図エロ:ぴよこ>カズナリ=たつみ」「着衣エロ:カズナリ>ぴよこ=たつみ」って感じですかねぇとやったところでよーわからんですかねぇ。まぁ総体的に言えば全ゲンガーともにレベルが高く、一作品で3粒美味しいエロを味わえて良かったですとは言える出来だとおもいます。たつみ氏は特にまゆの誘惑的な表情がエロくて、わざと片目ウインクでペニスをくわ込んでる表情とか、主人公を誘ってくわえ込んでる表情とかも溜まらなく、そういう表情がエロイCGでも全体にエロ部分以外のボディラインがずらっと目に入ってくるのもいい。カズナリ氏は、ときどきヒロインの顔と身体がアイコラ状態の骨折入院が必要なのでは?と思えるCGが何個かあるのが多少アレですけど、身体のふにふにした柔らかさと、その萌え肉のエロさを際立たせる絶妙な半脱ぎ感が素晴らしかったです。それだけにパイズリが以下略としても、特に
特に紗香は普段の微表情から蕩け顔になる変化がとても蠱惑的で次回作にも期待がもてます。ぴよこ先生は基本的にオールマイティですねぇ。他ゲンガーのパイズリCGを握りつぶす癖さえなければ……っていやそれは完全な僕の妄想ですが、個人的に特にエロかったのが、詩帆の恥ずかしげなロリフェイスとほっそりとしたボディラインに浮かぶ貧乳以上普通乳以下の手に収まるぐらいのおっぱい。いや最近とみに爆乳キャラが増えているんですけど、このキャラ表情とおっぱいとおへそのあたりが過度に部分強調されることなく、ひとつの引き締まったロリボディとしてギュっと凝縮されたようなエロを感じることができるのはロリキャラの特権だと思うんですよ。琴音さんのCGもよかったけど、ぴよこ氏にはこれからもこういったロリキャラを是非……ってアンタ次は無償でショタキャラ書くんかい!
んでエロテキストというかエロシーン全体について言えば、うーん、まぁ全体的には悪くはないし、いいエロシーンも結構あるんですが、どーもシナリオのなかのエロシーンの位置づけが弱いなぁと思ったところも結構あって。まず基本的に良くなったの「優香」「真依」の2人で、あんたらなんかい「主人公がエロ調子乗る→ヒロインは最後で感じてしまう→ヒロインに怒られる→主人公がエロ調子のる」を繰り返せばいいのかと小一時間。まぁそういう羞恥シチュを書きたかったのかもしれないし、僕はそういう羞恥シチュはあまりエロさを感じないので不満なのかも知れないけど、それにしたって、多少同傾向の詩帆ルートのエロシーンと比べたら、こっちの方が完成度は高いものなぁ。こっちは「基本的に恥ずかしがりならも、主人公を受け入れる」ってところに違いはあるんだけど、その「恥ずかしながらも、受け入れて良いかなとおもう」とか「恥ずかしがりながらも、身体と心は求めてしまっている」みたいなエロ描写が先の2人には弱くて、なんか主人公がエロ調子乗って軽いレイプを繰り返しているようにしか見えないところがなんかアレですた。まぁ最後のHはちゃんとラブラブHなので良かったですけどね。一方で出来が良かったのは、先の詩帆と紗香と琴音。本当は紗香のエチしーんにも多少不満はあって、このライターさんは一ヶ月くらいオナニーのほうほうを手扱きから床オナに乗り換えて、もっとエクスタシーをゆっくりと高める方法を……っていう冗談は兎も角、なんかねー。せっかくのCV:みるボイスで微表情キャラなのに、最後の方のエロなら兎も角、序盤からいきなり突っ込んでアンアン感じさせてしまうわけですよ。わかってねぇなぁこいつら。藻前らCV:みるキャラで何回Hした経験があるんだとライターのツラに僕のせーえきを小一時間飲ませ……っていうホモネタはゆーき君ルートで書いて貰うとして、まぁでも全体的に無垢な巨乳ロリにエロを教え込んでいるって背徳感と、それをそのまま真っ正面から受け止めてしまうイチャラブ感がマッチしていて良い感じではありました。琴音さんはなんだかんだ言ってパイズリを三回も入れるという俺得すぎるお姉ちゃん甘え系Hで大歓喜。
だけど、この作品のなかで意外と言ったら失礼ですけど、一番よかったのは3Pエッチだったんですよね。先にも言ったように3Pシナリオ自体はどのルートも似たようなモノで積極的に評価はできないし、そんなこといったら3Pエロシーン自体も似たようなモノだと言えそうなもんですが、微妙に違うところは、3Pのエロシーン時にはわりと姉妹のやりとりが多いってところです。僕は別に百合スキーでも何でもないんですが(別に嫌いでもないですが)こう、お互いに主人公のことを慕っているヒロインで、昔から仲の良い2人がエチシーンの時に適度にじゃれ合うのはなんかエロイ。エロシーン自体の流れは、先に言ったようにハーレム推進役のキャラが消極派のキャラや主人公をリードしたり誘惑したりするんですが、この積極派のキャラの誘惑的な態度も体も僕は大好物でありながらも、それに煽られた消極派のキャラがつい本音を晒してエロに流れ込んでいくところも良くてねぇ。特に主人公姉妹丼における詩帆はシナリオ上最後まで3Pを許容しないんですけど、エロシーンになると積極的に
「早く私で抜いて下さい」とかイヤイヤ性処理をやっているみたいないいわけを言いつつも、ディープキスまでしてしまう隠れデレっぷりと、それに負けじとおっぱい攻撃を仕掛けてくる琴音さんこそが、この作品が何よりも書きたかった恋する姉妹のセックスに違いあるまい!