夏草の線路に惚れ込んだのがきっかけではじめた。前作るな☆シーズンからすべての面が大幅に改善されている。それでも日常場面のイベントが使いまわしが多かったり個別がかなり短かったりと欠点があるため薦めにくいが私は楽しめた。
過去の約束によって縛り付けられていた(というよりも自らの手で縛りつけた)人々が自らの手の中にある夢を燃料に再び走り始めるお話。
先に不満点を述べればほぼ個別に入った7月7日のイベントの後に土日までの一週間は通常パターンの日常シーンが繰り返される点。この期間が挟まることによりテンポが悪くなってしまっている。この期間も8年前と変わらない日常を変わって進んでいくための日と対比させる効果があったのかもしれないがさすがに一週間は長すぎるように感じた。
全体を読んでの感想は一日たりとも同じ日など存在しない毎日がハレの日々を描き長く描写する物語が多い中、ここではあえて変わり映えのないケの日々すらも描きイベントでも描写を短めにするのは新鮮さを感じた。これはやりすぎれば前作のるな☆シーズンのように唐突にシリアスが入り人物に感情移入ができず、流されるままに終わってしまう危険性があるがRailwayはパターンながらも日常が入ったおかげで人物の性格がわかり感情移入できる最低限のラインは満たしているように感じた。
何よりもRailwayのメッセージに励まされた。たとえそこにどこまでも続く線路があっても、どんなに車体がメンテナンスされていてもそこに意志がなければシロク二は走り出すことはない。走ろうという意志がなければそのわずかな可能性すらなくなってしまうのだ。そんな風に教えてもらうことができてよかった。