最小構成単位はちんこと美少女
「エロゲーに男はいらない」がモットーの私としては、女装主人公というのはありがたい存在なわけで。設定上男と言えどその実ちんこが生えただけの美少女の湊くんは画面を非常に華やかにしてくれます。
特にエロシーンではこの女装主人公の強みが出ていると思います。エロゲーのエロシーンは(一部例外はあるものの)基本的に主人公が顔を出さないのが特徴なのですが、オトメドメインでは主人公の湊くんがちょくちょく顔を出しています。見た目女だからこその措置だと思いますが、その為他のエロゲに比べてHCGの構図の自由度が上がっています。ここは地味にメリットなんじゃないかと。まあ、レズ大好きふたなりマンセーの私はぱっと見女の娘同士でセックスしてるように見えるだけでわりと嬉しかったりするんですが。
見た目だけでなく中身も完璧超人(たまにヘタれますが)の主人公とは対象的に見た目以外は残念な中身のヒロインという構図の本作。ボトラー、メシマズ、厨二病。賛否はあるでしょうが兎にも角にもキャラは立っていました。個人的にはメシマズ以外は別段不快には感じなかったのでヒロインとしては平均以上に魅力的でした。特に風莉は(ちょっとズレた)一途さも相まって非常に好印象。主人公が別のヒロインと付き合う事になっても安易に「おめでとう」とならないのは良いですね。
シナリオとしては(主人公が女装している事を除けば)正統派学園モノといった印象。女装主人公という性質上物語の舞台になるのはヒロインと主人公が通う学園と彼女たちが暮らす学園寮がメインでそこからズレたりしないのは好印象。キャラの濃いヒロイン達との学園でのやり取りはシンプルに面白かったです。また、個別ルートに入った後も他のヒロインの登場シーンがあまり減らないのは高評価。個別ルートに入った途端に他のヒロインが神隠しに遭う作品、嫌いなんですよね。
物語終盤の唐突なシリアス展開は間違っても評価出来るものではありませんが、そこまで深刻な話にならない上に尺自体もそこまで長くは無いので減点は少なめ。
キャラの濃さとは対象的に作品自体は派手さは無いものの非常に堅実に作られているという印象。
どのパーツも水準以上のクオリティを維持しており缺点らしき缺点があまり見当たりません。ヒロインの魅力を殺さずに生かす事に成功している堅実な作りの良作だと思います。
強いて言えばミドルプライスではなくもっとボリュームを増やしたフルプライスで見てみたかったという思いはありますが、ボリュームを増やしたら増やしたで終盤のつまらないシリアス展開だけが水増しされた危険性もあるのでこれはこれで良かったのかもしれません。でもまあ、FDは期待したいところではあります。