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Кさんの催眠生活 ~校則だから仕方ない!?~の長文感想

ユーザー
К
ゲーム
催眠生活 ~校則だから仕方ない!?~
ブランド
C:drive.
得点
53
参照数
1289

一言コメント

暗中模索・・・

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

事前に情報として
・前半の共通ルートがだるい
・催眠要素は薄い
と聞いていたので、その点は心得た上でプレイした。


公式には
>本作はヒロインに催眠術をかけて言いなりにさせるのではなく、催眠術を使いヒロインらが通う学園全体の日常ルールを捻じ曲げHな校則により恥
>ずかしい思いをさせてしまうADVなのです。
>女の子を操る既存の催眠術遊びを嫌悪感なく提供する、それがこの『催眠生活~校則だから仕方ない!?~』の企画コンセプトなのです!
とあるが、まず「校則だから」というような雰囲気はあまり濃くない。主人公が「調理実習は裸エプロンでやるもんだ。それが常識だろ?」と言えばそう
なる感じ。おそらく催眠が場当たり的なことと、「本当は絶対嫌だけど、校則だから…」といった描写をしてないことが原因。概ね嬉々としてやる。
嫌悪感についてもそれほど徹底してない。何かと理由をつけたり(つけないこともある)、期せずして催眠が発動してしまったというような体を取り繕う
ことが多いが、基本的には下心に正直で、考えようによってはプレイヤーの脳内補完でどうとでもなるとも言える。
一応催眠も、幾つかのあっさりした(裸エプロン的)書き換えシチュがあるが、あとは性交へ向かうまでの過程で使う程度で行為そのものは通常通り。
総じて新しいジャンルに挑戦したメーカーの手探り作品という印象だった。


キャラについては、メインヒロインの麻希乃に萌えられる者は少ないだろう。ハルヒを意識して書き損じたようなヒロイン。造形や素材は良かったこと
から、普通のツンデレキャラにでもすればそれなりに使えたことだろうと惜しまれる。
しかし彼女を物語の軸とすることで周囲にいるさばさば系の奈津美、おっとり系の遥、委員長の鴇子、ロリ教師小姫らのテンプレート的キャラ達にも
変化が生まれ、個別のイベントはさほど多くないにも関わらずキャラクターに深みを与えているようでもある。

シナリオはそこまで熟読しなかったが、その限りでいえば大して面白くなかったように思う。それならそこで催眠を使えば、と感じることも多々あった。
特にギャグは酷い(これはシナリオというよりテキストだが)。主人公の性格も空回りしつつブレまくりで、プレイしていてストレスがたまる。
あと他の人も書いていたが、この種のゲームに必ずしもしっかりしたヒロインのバックグラインドや不穏なトラブルを埋め込む必要はないと思う。

CG、音声はよかった。

個人的には鴇子と小姫が気に入った。鴇子だけアナルプレイ特化だったのが残念。
極端な抜きゲーに走ることはないと思うが、これを機により創意工夫溢れる魅力的なシーンが増えてていくよう、今後のC:drive.には期待したい。