面白えなあ……ってのがプレイ終了後、思わず口に出てしまった感想です。シリーズやリメイクが絡まない、新規としてはおよそ3年ぶりに出たLiar-soft作品『ALPHA-NIGHTHAWK』『時計台のジャンヌ~Jeanne à la tour d'horloge~』や『大迷宮&大迷惑-GREAT EDGES IN THE ABYSS-』にはなんでか点数をつけていないと言う愚行を犯している私ですが、これは文句無しに付けられる期待値100点。最初の演出及び表現描写に思わず『forest』を思い出してしまう始まりは見事。そこから往年のカルトSFや昔のSF小説の数々を想起する内容、本当にワクワクが止まらなかったです。それらを観て、読んで、興奮冷めやらない良質な時間を、まさかエロゲでも同様に体感出来るとは夢にも思わなかった次第。この数時間プレイしただけで、キャラクターのほぼ全員に愛着が湧いてしまったのは、本作の力量に確かなモノを感じた証明です。ミリヤ良い娘! ナユタ良いキャラ! フロッピー優しい! アメ可愛い! ツユ超可愛い! ヴァネッサエロい! リュネット超エロい!と、自分がケモナー気質なのかもしれないと言う衝撃の事実に慄いた女性陣は基より、男性陣も凄く格好良い。レグルスはもうお馴染みなので言わずもがなですが、一蔵とゴンの声、凄え良いなと思わず感慨に浸ってしまいました。惜しむらくはこれがミドルプライスである事。どれ位の長さがあるんだろうと言うのだけが懸念材料ですが、短くても締りのある良質な物語をプレイ出来る予感はヒシヒシと感じます。興味あったら是非ともプレイして欲しい、新しき息吹を感じた体験版でした。
『Oh!透明人間』エロゲ版。いやあ、笑った笑った。テンポの良さとテキストの妙で、終始笑いながら楽しめた。待雪晴季君が面白過ぎて、今回プレイした3月発売エロゲ主人公では1番好きだと確信しました。僕はこういう馬鹿でエロに忠実だけど、根っこの純粋な主人公が堪らなく好きなんです。それは、亜芽ちゃんへ起こす反応からもう丸わかりで。この主人公、亜芽ちゃん(の裸)好きすぎだろと。彼女へやり過ぎちゃった時の、彼女を意識し過ぎて動くそれは好意の表れだろと。思わず微笑ましくも爆笑してしまった。その結果、可愛すぎる亜芽ちゃんを僕も1番好きになっちゃった次第。主人公とヒロインの掛け合いで、互いに魅力を向上させている、実に素晴らしき相乗効果です。最 of 高。また、快楽主義者にして刹那主義者となった主人公の「原因」も、コメディで進む中へ潜む強いスパイスとなりそうで。体験版時点で何が起こったかはある程度予想出来たけど、どう描写されるかの一点だけで買っても良いと思える具合でした。だがしかし、少しばかり個人的懸念事項がありまして。それはヒロインについて。彼女等は「ほぼ全員好き!」と断言出来る程、魅力的な好人物ばかりだったんだけど、チトセの魅力だけが正直よくわからなかったんだよね。出番が体験版時点で他ヒロインより少ないってのもあるけれど、バーチャルアイドルネタの面白みはよくわかんなかったし、キャラクターもそこまで好ましく思えた訳じゃない。秘密道具を与えてくれるお助けキャラ的立ち位置がメインってよりサブキャラっぽい印象も相俟って、そこまで深く入り込めなかったのが素直な所だった。本作、階段型脱落形式の可能性がある為、もし仮に先の方が仰った通り、チトセが真ヒロイン的立ち位置だとしたら、正直僕は結構キツイ。普通に亜芽ちゃんメインであって欲しいってのが実直な感想。しかし、それでも全体としては魅力に溢れた素晴らしき作品となっていたので、特攻覚悟で戦場へ赴くのも悪くないかな?と、前向きに捉える事の出来た体験版でした。
新規ブランド一作目と言う事で「頑張ってほしいな」って安らかな気持ちでプレイしたんだけど、凄く歯痒いね、これ。ユーザーライクな視点で寄り添おうとしているのは感じたし、好感も抱ける。個人的には応援したく思うので、出来るだけ高評価で迎えたい所なんだけど「いや、そこまでは望んでないかな」って気遣いも多々見受けられた。あそこまで文章に振り仮名つける必要はないし、ルート固定モードって望みのヒロインへ自動的に辿り着ける機能は、少々ユーザーを配慮し過ぎていて、正直要らないと感じた次第。しかも、好感度がどう変わるか選択肢の中に表示まで出来る訳で。すっげえ優し過ぎる甘甘システムで、特に振り仮名問題はかなり由々しい感じなんだけど、まあ、ルート固定モードはハッピーエンドを迎えると開放される仕様(製品版)らしいし、選択肢のヒント機能もON/OFFに出来るから、全体的には合格点な印象だった。ただ、サブキャラへ音声が入ってないんは今時のプレイヤーからしたらちょっときついでしょう。ヒロインにしかボイスがつかないって事を熟知してなかった故、真優梨ママが登場した時は体験版仕様かと思ったけど、公式サイト見るに違うね、最初からついてないね。あの母さんのハイテンション振りが音声無しで過ぎ去っていくんは、他キャラがほぼついている分、流れが分断された違和感として地味に残ってしまってよ、興が殺がれちまった。そしてここからシナリオ面。テキストが……なんか、主人公の地の文とか天の声の台詞とか、やっっっったら抽象的で回りくどい。でも、決して「下手」って訳じゃない。明かされちゃいけない要素を隠す為、抽象的となるのは分かるし、主人公の「事勿れ主義」を体現するに足る十分な説得力が、その面倒臭いテキストで充分描かれている。でも、最初の未来描写でかなり設定面を説明台詞みたいな会話で流していたんは悪手だと感じた私情。そしてここから極めつけ。メインのアイって娘のルート以外、全てダブルヒロイン攻略制になってるのが、個人的に1番頭を抱えた始末。いや、分かるよ? 1人より2人、2人より3人って行きたい気持ち。ハーレムとか男の夢ですよ? 女の子は多い程攻略甲斐ありますよ? ただね、最初からハーレムしかないエロゲなら兎も角、誰かを攻略したいと思って選ぶ中に正直、あんま興味ない片割れがおまけでついたら、僕は結構萎えるんだ。選ぶんだったら、その娘へ一途で生きていたいんです。純粋無垢すぎて面倒臭すぎエロゲーマーの成り果てですけど、少なくとも僕は、その娘だけを愛して助けて幸せな日々へ歩みたいんです。せめて、未来で関わりがあった真優梨だけは、純粋に単体のルートとして攻略したかった……!と、実に歯軋りした次第。そう、そんな風に思えた事から分かるように、決して見所が無い訳じゃない。一部ヒロインの魅力ってヤツはかなり伝わって、真優梨と瑞希は凄く好きになれそうだと思ったし、シナリオ自体も要所要所にある上手い描写や未知なる中身の残酷性から、可能性を感じさせてくれている。CGだってかなり好きだ。しかし、だからこそ迷ってしまう。To buy or not to buy, that is the question.ってなもんで、発売日間近まで苦悩の日々になるであろう事を予感させる体験版でした。