帰ってきたういんどみるはさらなる高みに
※前説も結構長いです。
※祝福のカンパネラ以前などはぶっちゃけもう覚えていないので主にHHGを比較対象としたレビューとなっております。
ういんどみると言えば、コミカルに動く立ち絵とある程度安定したシナリオ。昔はそんな評価でした。
ええ、あの「前後」が来るまでは・・・。
いやまあ前後以前にもツナバンという地雷作品も作りましたが「前後」はそれを遙かに超えクソゲーオブザイヤーすら取ってしまいました。
ですが、それで落ちぶれるようなういんどみるではありません。
組織を組み直し新体制で「HHG」を出しました。個人的にこれは神作と呼んでいいではないかと思っています。シナリオの質でいうならばウィッチズガーデンを超えていると思っています。
さて、そしてHHGの次に出した「神がかりクロスハート」。・・・個人的には言うなれば駄作のレベルの作品です。
ただCGというかシチュというかエロ方面は大変気に入っています。恐らくそちら方面に注視した作品でしょうね。
また変身シーンも気合いが入っていますし、この作品はこの作品で意欲的に新しいことに取り組んだ作品かと思います。
・・・というわけでやっと「ウィッチズガーデン」にやって参りました。以下からネタバレなのでお気をつけを。
さて、この「ウィッチズガーデン」はE-moteというそちらの界隈では有名な会社「M2」が作ったモーションシステムが搭載されています。
涼宮ハルヒのゲームなどに実装されたLive2Dと発想はほぼ同じで”2DCG”が”3DCG”のように動くというものですね。
このシステムは大変素晴らしいです。キャラが動きます。
好きなキャラのルートに入ってからは中々スキップやクリック連打が出来ません、それほどまでに完成度が高いものです。
また戦闘シーンではしっかりと武器は武器で動いてくれることもあり、特に「羽多野 莉々子」ルートでは戦闘シーンの演出の気合いの入れようにタイプムーンを超える気かとか一瞬思ってしまうほどでした。
E-moteに関して思い浮かぶものといえばこれぐらいです。
ホントこれは有料ライセンスでも良いので同人界隈にも提供すべきじゃないかなと。
(CatSystemに搭載して同人利用も含めた有料版出せば、ういんどみるの収益源が増えるんじゃないかなと。少なくとも自分は開発ツール同梱ならば5万までなら出します。)
次にシナリオ。
前説で少し言いましたがHHG以下という評価で具体的に言えば「可もなく不可もなく」ただしE-moteの演出力、キャラクターの魅力により個人的には100点です。
語りすぎない設定にういんどみるらしい「優しくそしてドキドキ感を感じさせるような世界観」。
他のレビュアーの方々はシナリオは平凡と言っていますが、何を仰いますか、これこそがういんどみるの世界観です。
だってういんどみるですよ?鬱とか本当の意味での悪役なんて居てほしくありません。こーちゃさんの絵にそれが合わないとは思いませんが、やはりこういう世界観の方が合っていると感じます。
また今作では今まで以上に大人達の存在を感じました。
そう常に主人公とヒロイン達は大人達の手の上で踊っていました。
Trueルートですらそうです。ですが、大人達は彼らに願いを託し、彼らの成長を認め、彼らに未来を託してきます。
全てやり終わった後、「ああ、これこそういんどみるだ」と感じました。
鬱過ぎず温すぎず、プレイし終わった後に心が暖かくなる物語。これこそ、ういんどみるのシナリオですよ。
ですのでHHGの様に感動した!というほどではありませんが、ワクワクドキドキして楽しめるシナリオです。
最後には全ての敵も味方も手を取り合い未来に歩んでいく。これは祝福のカンパネラでもそうだったと記憶しています。
では絵や音楽などについて。
絵については立ち絵は相変わらず素晴らしいですが・・・。
こーちゃさん、服装変わって胸囲変わるってどういうことですかorz
いやCGでも結構あれですね。
絵が好きなだけに、どの作品やっても服装事に変わる胸囲とイベントCGが余りうまくないのが気になります。
音楽。うん、これも残念ながらHHG以下と言えます。
シーンごとにしっかりとBGMは合っていますがHHGと比べ記憶に残るかと言われると・・・。
まあHHGの時は別人がBGMを作ったので仕方ないかなと。
あ、でも「明日を望む細道」は良いと思います。
さて最後にキャラクターのこと。
緋宮あやりメインですが 雪村涼乃が可愛すぎて、あやりTrueルート入っても涼乃ばかり見てました。
いやだって、あのE-moteで浮かべる笑顔が可愛すぎるんですよ。固有ルート入ってからではないと見れないですし、なんにせよあのギャップ萌え的な可愛さ。
「私は洋輔さんの女です」っていう台詞も最高です。この一途さ素晴らしい!
いやまあ、あやりだって可愛いですよ。
・・・うん、個人的には雪村ルートでの銀髪あやりが一番好きですけどね。
ただTrueルートでの最後のドレス姿も素晴らしいですね。いつでも元気な可愛い女の子も最高です。
羽多野莉々子。彼女は・・・姉として剣の師匠としての立場が中々良い物ですね。しゃべり方も予想外で気に入りました。
ただ固有ルートで主人公と剣の鍛錬中に性的興奮するとか・・・。
柴門水澄とえくれあ。彼女たちはうん、凄くエロいです、お世話になってます。キャラ的にも緋宮あやりが抱える問題点を解決するキーマンとして居ますね。
他にもサブキャラクターはとても魅力的ですが、全てのキャラクターに関してお話ししていると長くなりそうなのでやめます。
まとめますと、今作はういんどみるが完全復活を遂げ、さらに進化した。
それを見せつけるような素晴らしい作品であると思います。
はぴねすでエロゲを始めた私ですが、前後やツナバン等々で着いていけないということもありましたが、
今作をやって再びういんどみるへの信頼感が戻ってきたと感じますし、エロゲのシステムに新しいページを開いたと思います。
これからもういんどみるに着いていこうと、そう思えた作品となっていると思います。
これが新しいういんどみるです、これが新世代のエロゲです。
是非とも、前後の件で不安を感じている方、前後で注目している方も皆さん買ってプレイしてみてください。
決して損はしないと思います。
※おまけ
これはタイトルロゴの下にある長い長文です。気になったので翻訳してみました。
All the world's a stage,
世界は舞台のようなもの
and all the men and women merely players:
男も女も役者に過ぎない
They have their exits and their entrances;
舞台を出たり入ったりしながら
And one man in his time plays many parts.
与えられた役を演じているだけ
三行目が少々原文と違いますが、これはウイリアム・シェイクスピア作の喜劇 「お気に召すまま (As You Like It)」 の一節です。
これを踏まえると悠子さんの過去と今の事をを初めとした様々なものとマッチしました。
今作はホント気合いが入っていると感じるものですね。