魔法少女悪堕ち物として珠玉の一品。
上質な悪堕ちを堪能する前に延々と悪の組織内の日常パートをやらされるのだが、
魔法少女を犯して洗脳する等とはとても考えられない、ほのぼの・バカゲー体裁が延々続く。
しかし、ある日を境に一転し、魔法少女達は一気にどん底へと叩き落とされ、悪の組織の一員となる。
序盤、日常パートと魔法少女パートが別ゲーレベルに相関しておらず、
日常パートは不要だったのでは…と感じさせられるが、
その疑問を八割方相殺するレベルに鋭利な緩急が後半のシナリオに用意されている。
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さて展開が一転した後の悪堕ちに関してだが:
TRIANGLEクラスの良質な2Pカラー悪コスに加え、
プリズムセイバークラスの良質な連鎖堕ちといった、
変身ヒロイン悪堕ち物としてのエッセンスを余すところ無く注ぎ込んでいる。
序盤での主人公が環境に翻弄されるマゾ男な様を見ている為、
後半信じられない程鬼畜な極Sへと変貌し、装置を使った洗脳シーン等において
ねちねちとしたテキストで魔法少女を精神的・肉体的に限界まで追い詰める様は迫真となる。
洗脳・調教・改造・傀儡化・連鎖堕ちといった属性が適確に描写されており、
質的には相当に良質な悪堕ち/MC作品といって良い。
一部キャラの連鎖堕ち・悪コスでのHシーンが無いのだが、
先に堕ちた魔法少女が後の少女に行う精神攻撃は非道を極め、極上の連鎖堕ちを味わえる。
また、ノーマークであった2キャラに属性と役割(重度のネタバレにつき伏せる)をしかと持たせているため、
全キャラに網羅的に尺を与えなきゃいけないという完璧主義で無ければ必要十分に楽しめる。
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日常パート全スキップで魔法少女尺だけを回収するという手はあるのだが、
全部とは言わずある程度読み込んでからあたることで、シナリオを十二分に楽しむことが出来る。
個々人によってあるキャラの尺がどの程度足りない~という誤差はあるものの、
「悪堕ち」としての設計では現状かなりの公約数な答えを出してくれた作品。
解釈の難しい属性である悪堕ちに対し、今作が出した一つの設計パターンが、
悪堕ちの名を冠する他作品に影響を与え、質的に向上しながらも受け継がれていくことを祈る。
今作のライターが制作会社を抜けてしまうことは残念だが、
最後にとても素晴らしいものを頂くことができたことに感謝したい。