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zanさんのエヴォリミットの長文感想

ユーザー
zan
ゲーム
エヴォリミット
ブランド
propeller
得点
95
参照数
1272

一言コメント

結構得点がバラけているようですが、個人的には大満足の出来。燃え萌え笑い泣きと全ての要素を満たしており、私はプロペラの作品はあやかし・バレット・クロノと燃えゲーしかやっていませんが、それらと比べて若干笑い比重が高いきはしますが、遜色の無いできでした。長文は購入を検討している人向けのものと、個人の感想をだらだらと書いたものとを。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

まずは購入を検討している人向けの感想等。

雰囲気は体験版をやれば概ね把握できます。冒頭、モノクロ画面での回想っぽいシーンから始まりますが、ヨサゲな雰囲気をガンガン感じました。
私はどちらかというと勢いと雰囲気のみで楽しむタイプなので、細かい点では色々と過不足があるのかもしれませんが、若干、中盤で中だるみした以外は概ね勢いでガーっと終わりまでやってしまい、満足できました。
過去作と比べて、例えば上で述べた冒頭のモノクロシーンでの画面のざらつきや戦闘シーンでの動きなど、技術的な面での演出力は明らかに向上が見られます。(途中、?な演出もあったりしましたが・・・。)


以下、ざっと特徴のようなものを(()内は個人の感想)
・やはりプロペラといえば燃えゲー、燃えゲーといえば漢キャラ。主人公は言うにおよばず、敵役、サブキャラ、果てはロボや犬までもが非常に良い
(特にプロペラ作品ではいつも、初見ではどうとも思わなかったキャラクターが音声の力で非常に魅力的になることが多いのですが(あやかしの九鬼やバレットのベイル等)この作品でもファントムキラー・アースクェイク・チャペック・ポチ校長あたりが声の力もあって魅力だだあがりでした)
・一言でも言いましたが、過去作に比べて、明らかにギャグ・コメディ的な要素の比重が増えています。
(デフォルメ絵もあいまって自分的にはOKでしたが、きになる人にはきになるかも)
・「進化」がテーマになっていますが、まあ後半になればなるほど進化の大安売りになります。インフレです。
・攻略ヒロインはメイン3人(雫・カズナ・リーティア)にサブ1人(アクアがリーティアとセットのルート&ENDあり)
(だがしかしアクアが1番可愛かった!)
・ENDはカズナルートのみBADとハッピー、リーティアは単独とアクアとセット、雫は3ルート、後は体験版最後の戦闘で負けたことになるノーマル(これもバッドっぽい後味ですが)
・サブカプが1組いますが、それ以外は主人公とのみです。処占属性の方でも重度でなければ問題なしかと
・シリアスな展開はありますが、鬱になるよう所は無し。
・可愛いレベルの嫉妬描写はメイン3人ともそれなりにあります
・ヒロインにより個別ルートは結構展開が変わります。(詳細は↓のネタバレで)
・主人公はかっこいいけど変態(主にエロ方面)です。が、嫌悪感を持つような変態ではないです。エロですが。


総評としては、硬派な燃え要素のみを求める方や、ぎりぎりの頭脳戦なんかを求める方には少々厳しいかもしれませんが、勢いだけで燃えることが出来る方なら満足できるかと思います。


以下はクリアした感想をダラダラと
多少のネタバレも含むので購入検討者はご注意を。











話のスケールの割に絵のあるキャラが少ないせいか、個別ルートで結構展開が違うはずなのに、なんとなく似通った印象をうけてしまいました。

それでも、各ルートで焦点は違っており、

カズナルート
・ファントムキラーVS主人公に1番スポットが当たってる気がします
・各災厄VS各主要キャラの少年漫画的な展開はやっぱり燃える
・そうはいっても、カズナが(個人的に好みなキャラなこともあって)十分魅力的なので楽しいルートでした
・Hシーンの主人公の顔がキモイ・・・なぜこのルートだけこんな描写なのか・・・。

リーティア(&アクア)ルート
・カズナルートの時はなんともおもわなかったリーティアだが、特に妹&ロリ属性の無いはずの自分でも結構キマシタ
・このルート固有の敵役「ヘカトンケイル」が妙に印象的。最後の台詞とあいまって、災厄並の印象の残ったキャラです
 戦闘シーンもそれなりに燃えました
・唯一、カラミティーモンキーズも含めてメインキャラの人死が出ない。コウとも生きたまま和解(?)できる唯一のルートなので後味が良かった
・上記+アクアの魅力にメロメロなせいで個人的にはベストエンドルート

雫ルート
・メインルートのはずなのですが・・・個人的にはなんだかなぁという感じ
・キャラ的には決して嫌いではないのですが、カズナorリーティア+アクアに比べるとちょっと・・・という感がどうしても
・サブキャラやらアバランチとの過去のHシーンなどがあるのはお得感(?)
・カラミティーモンキーズがもっとも格好よいのはこのルート
・ただ、最後のシーンでの歌は結構ブチ壊し テキストも進めることが出来ないので、製作者の趣味を押し付けられている気がして少し醒めました
・環太郎もこのルートが1番格好よいが死んでしまっては・・ねぇ
・ENDも3つありますが、どれも特にどうということはない・・・という感じで余計リーティア&アクアルートに比べて劣っている感が・・・

という感じです。

ただ、どのルートがよかれ、カズナとリーティアをクリアしなければ雫ルートには入れませんのでクリア順は限られます。

一言でも書きましたが「進化」という題材にしているせいで、途中、ピンチになれば進化すればよいという感を受けてしまい、若干緊張感がうせますが、逆に階段を下りるシーンなんかは結構痛快でした。

まあ色々と書きましたが、そこらのゲームと比べて光るものはいっぱいある良ゲーなのは間違いないかと。