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zanさんのあまつみそらに!の長文感想

ユーザー
zan
ゲーム
あまつみそらに!
ブランド
Clochette
得点
85
参照数
1494

一言コメント

Clochette作品はFDを除いて3作ともプレイしていますが安定した面白さがあります。神様やら魔法やらと、毎作単なる学園者+αの味付けがあるので飽きることなく楽しめますが、今作では特に立ち絵のバリエーションが豊でくるくると変わる表情もあり中だるみすることなく楽しめました。長文は購入を検討している人向けのものと、個人の感想をつらつらとかいたものとを。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

まずは購入を検討している人向けの感想等。

毎回、この部分についてはOHPに出ていることまではネタバレではないと思い書いているのですが、なんともネタバレをせずに感想を書くのが難しい作品・・・。
と言う訳で、ネタバレ全く無しの感想、ほんの少しだけネタバレありの感想、最後にネタバレ関係なく感じたことをつらつら書く感想に分けています。

まず、ネタバレ無しの感想ですが、攻略キャラは表紙どおりのメインヒロイン5名で、残りのサブキャラにはHシーンなどは一切無し。(おそらくFDがでるであろうと思いますが、非常に期待しております!)
神様という設定が絡むだけあって、ごく普通の学園ものではないです。
共通ルートでコメディタッチな日常生活を描き、個別ルートでシリアスな展開というよくある形式ですが、シリアスな展開が決して鬱になるものであったり、嫌な気持ちになるようなものではなく、プレイ中も終わった後も非常に気分よく終われるのに好感がもてました。
一言でも書きましたが、全キャラ立ち絵のポーズ+表情のパターンが非常に多く、1つの発言中にもころころと変わるので、つい飛ばさずに音声を聞いてしまいました。

以下、ざっと特徴のようなものを(()内は個人の感想)
・萌えゲーでデレゲーでいちゃラブげー、結構Hにも力入ってます
・絵、音声、システムなどについては非常に丁寧な作りで、個人の嗜好によらず高評価できる部分かと
・共通部分もそれなりの尺ですが、個別も全キャラ十分に尺があるので、ボリュームは満足できるものでした。
・共通部分はSKIPとは別にジャンプ機能があり、既読部分は一気に飛ばせるので非常に快適です
・先輩(巫女)、妹、幼馴染、後輩とスタンダードなキャラ+神様とありがち+αなヒロイン構成ですが、「どこかで見たようなお話」にはなっていないので退屈はしませんでした
・全体的に巨乳率高し
・どのヒロインのルートにいっても、他のヒロインがそれなりに関わってきます。個別に入ったとたんに空気になるようなことも無し
・後輩→神様への憧れの描写が多いのと、先輩(巫女)で1シーンだけ独占嗜好が非常に強い方には少々不愉快なシーンがあります。
(前者はあくまでもコメディレベルなので自分はきにならずですし、後者も軽度の方には問題ないレベルかと。)
・友人キャラはよくある女好きのバカ友人ですが、変に話しに絡んでくることも無し
(サブヒロインに耳掻きをしてもらう描写があるくらい)
・田舎が舞台ですが、田舎ゲーというほど田舎ではない
・音楽に関しても数曲、耳に残っているものもあり、雰囲気に合っていたかと。
・主人公に関しては、鈍感でもへタレでもなく、常識もあり、行動力もある良主人公でした。

簡単なネタバレが無しだと非常に書けることが少ない・・・。
ということで、次はほんの少しネタバレありの感想です。


















他の人の長文感想にもありましたが、「神様」設定以外に、「妖怪」関連の話がからんできます。
共通ルートの途中で、主人公が怪(作中では妖怪のことをひっくるめてこう表現してました)を視ることが出来るというシーンが唐突にはさまれて、以降の展開には結構絡んできます。
個別ではいずれのシナリオでもそれなりに怪の話が関わってきており、問題を解決するキーとなるわけなのですが、単純に妖怪退治するといったお話ではないので、戦闘描写等はごく簡単なものです。本格燃えゲーではないので、その辺りには期待しないほうが良いと思います。
(そもそもそんなことを期待して買う人はいないでしょうが・・・。それでも、妖怪の描写がそれなりにあったのはうれしい誤算でしたが)
燃えゲーやバトルゲーではないのですが、そういった設定+主人公の特殊スキルが良いアクセントになっており、普通な学園ゲーとは一線を画してる(というと大げさかも・・・)思います。


以下はクリアした感想をダラダラと
多少のネタバレも含むので購入検討者はご注意を。













いずれのルートも妖怪が絡むのですが、基本、神様がいるのであっさり解決しそう・・・で、しないお話。
単純に退治すればよいというお話ではなく、各人間側がきちんと努力した結果として、解決につながるようになっているので、神様にもそれほど万能感もなく、あっさりしすぎている感も無し。
いずれも、怪との共存といったスタンスにあるので、結構温かみを感じるお話が多かったように思います。
クリアルートには特に制限は無いので、好きな順番で良いとは思いますが、やはり神奈が最後の方が良いかなあとはおもいます。
芹夏・千紗はどちらかというと本道からは外れているルート、美唯は家族が強く関わる話で、深景は神奈の神様としてのお話が若干、神奈ルートは完全に神様としてのお話がメインという感じです。
以下、個別にルートの感想を


芹夏ルート
共通では1番興味の無いキャラだったのですが、意外や意外、個別に入る頃には完全にキャラが変わっていることもあって非常に可愛くなっていました。
共通では完全にギャグ担当なのですが、ツンデレどころかかなりの依存系で嫉妬成分もあり、ニヤニヤできます。
同じキャラ・同じ声優でもしゃべり方でコレだけ感じが変わるというのはスゴイと感じました。
ストーリーはテニスと試合に負けたトラウマ(?)に関連するものになります。


千紗ルート
クーデレ担当。共通の印象通りのキャラちゃあ印象どおりですが、想像よりはるかにデレデレです。
ストーリーは昔無くなった妹の話なのですが、基本、勢いだけでプレイする自分ではありますが、流石に、健全な女子高生に取り付いて話すことが出来るにも関わらず、意思疎通が必要な姉には風鈴の音色でしか思いを伝えれなかったりなのは?と思わざるを得ない部分がありました。
まあそれはそれで置いておけば、最後の方の〆方も主人公もヒロインも良いお話でしたが。


美唯ルート
最初っからデレまくりですが、個別にはいると更に加速&エロスという感じ
怪もからみますが、どちらかというと美唯自身にスポットがあたっています。
1番気になったのは、結構常識的な主人公があっさりと妹を女性として好きだとあっさり認めすぎるところ
後、妹と結ばれることに対して、特に障害らしい障害がありません。
背徳感が好きな方には多分NGですが、自分は胃が痛くなるような話は嫌いなので、コレくらいが良いです。
1番の問題は、美唯クリア後には他のルートはクリアするのがココロが傷む・・・。


深景ルート
怪の話が1番絡んでくるお話で、銀王の出番も多いです。
真面目なキャラがギャグに絡む際のギャップはかなり楽しいものがありました。
惜しむらくは銀王が攻略対象ではないところか・・?


神奈ルート
メインだけあってもっとも島の状況や怪にもっとも深く関わるように思える話。
ただ、広げた風呂敷もそれほど大きくなく、キチンとたたんでいるという感じ。
もう少し過去のお話とかを掘り下げて欲しかったなあとは思います。



総評として、萌えゲーでキャラゲーなので、キャラクターの好みにより個人の評価が大きく分かれそうですが、例えば絵や音声・システム面などといった当たり前のラインでは高水準を保っている作品化と思います。
ですので、体験版をやってみて、興味がもてればかっても損はしない作品かと思いいます。