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yzgotoさんのいろとりどりのセカイの長文感想

ユーザー
yzgoto
ゲーム
いろとりどりのセカイ
ブランド
FAVORITE
得点
90
参照数
536

一言コメント

色々と考えさせられました

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想


皆さん書かれていますが、長い。長かった。
冗長というわけではないですが、おっ、これで話は終わりか?と思った後もちょいエピローグ的なものをいくつか挟んでくるのでおそらくそう感じたんだと思います。あと共通ルートが12章までありますしね。なので2週目以降はけっこうサクサクでした。


しかし非常にシナリオは良かった!

よく真紅ゲー真紅ゲーと言われていますが、加奈ルートと澪ルートだけでも値段に見合った出来だったと思います。

ついでに世界観もよかった。よくある設定(異世界を行き来、ヒロインは主人公しか見れない等)をたくさん混ぜているにも関わらず、綺麗にまとまっていました。




以下各ルートのネタバレと感じたこと




加奈ルートでは親子愛(加奈と母、白と蓮)と子供の成長(加奈・白・蓮)、またあゆむの成長過程を見ることが出来、感動その1。また加奈の死にたくないという死への恐怖がよく描かれていたと思います。言うことなしです!

鏡ルートは他ルートに比べると短めですが(CGからもわかるように)加奈ルートで登場した蓮也さんの話がわかります。また鏡自身が出来の悪い子という設定だったので、応援しがいのあるキャラクターでした。ただ、せっかく加奈ルートで少ししか謎が明かされていない蓮也を、うまく使いきれていないところにもったいなさを感じました。

つかさルートも他ルートに比べると短めでした。つかさのおばあちゃんへの愛を感じることが出来、イイハナシダナーと終わりました。このルートも鏡ルートと同じく短かったので、話が一気に駆け抜けているといった感じでした。

そして澪ルートでは、純粋に恋愛を楽しめました。はい。すごく良かったです。それだけです。胸が痛くなるような恋愛ではなく、最終的に胸が暖かくなるようなお話でした。このルートでは、主人公が再テストのために勉強を頑張る代わりに澪がギャルゲーを頑張る、というくだりが好きです。ただ、キスの練習のシーンは急かなと少し思いました。もう少し個別に入ってからの幼なじみも楽しみたかったです。


この4つのルートを終えると真紅ルートに入れるのですが、実はいままでのルートが作り物だったということがわかります。この設定はセ・キララに似ていますね。内容は全然違いますが。

真紅ルートは、やってみればわかるとおもいます。真紅ゲーと言われる所以ですしね。ただ、あそこからエッチかー。とは思いました。もう少しうまくエッチ(例えばエピローグで)をやってくれたらよかったかなと思います。


各ルートに点数をつけるとしたら、加奈90点、鏡75点、つかさ79点、澪87点、真紅91点、と言った感じでしょうか。あくまでも主観です。その他もろもろを足して全体で90点です。



全体的な魅力としては、やはりヒロインたちの謎(問題)が各ルートで順を追ってしっかりと解き明かされる(解決される)ところにあるとおもいます。伏線を張っておきながら回収しないゲームが多くある中、しっかりと回収しているので「進行→納得→進行」といった具合でつまることなく楽しめました。

ただ言い回しが難解だったり、セリフが長いものが多かったりするので、プレイヤーもわからない箇所があったら深く読まないといけないかなと思います。



このゲームを終えた後(というか最中)は幸せやうれしさ辛さや悲しさなど人間の感情について考えさせられましたね。そして今後自分も人を癒せる、人のためになるように生きたいなと意識を改めさせられました。