誤字多数&文章が下手すぎる
文章を書くのが苦手なのでお手柔らかにお願いします。ネタバレはしないよう努めました。
この作品を読んで抱いたのは、商品未満を否めない、全てメタな不満ばかりでした。
一番は誤字の多さと日本語のおかしさ。一文字多い少ないは当たり前。てにをはも変、同じ文章で時系列が違う(現在進行形と過去形が混在したりなど)のも多く見られ、デバッグがなされていないことを感じました。
また、書かれているセリフ以外のテキストは状況の説明がほとんどで、キャラの魅力を語る場面がほぼありません。見た目、キャラの性格設定、口調など、公式HPで紹介されている以上のものを読み取ることがほとんどできませんでした。
つまり、この物語の中で起こったことを細かいあらすじとして見ている感覚しかありません。まとめサイトの記事を読むような感覚です。これがメタ的な不満の一つです。
作品として、物語に忠実であるという姿勢を貫くことは、決して悪いことではありません。えてしてそういう物語は、美しく残酷で、醜く優しい人間ドラマを生み出すことも少なくありません。
ところがこの作品は、人間が感じられません。心の描写が物語に忠実すぎて(都合をあわせすぎて)、まるで駒です。
本編が大変薄い心理描写で進んで登場人物に人間を感じないのに、登場人物全ての行動や心理に完全な理由があるんです。だから、不思議な行動を取ったその意味が、ところどころでわからなくなるときがありました。理由のない行動をとるほど、うっかりやわかっていてものような登場人物の人間らしさが感じられず、頭に浮かぶのは物語の都合というものでした。
そしておまけに、なんでもありです。読み手の予想を覆す物語は続きが気になりますが、それは「風が吹けば桶屋が儲かる」的な展開だからこそ納得がいくものであって、イソップ童話の「狼少年」的に嘘や幻でリセット込みをやられると、何を真実と受け止めればいいのか混乱しますし、実際にそうでした。
この、なんでもありじゃないかとふと我に返ることが、メタ的な不満として残っているんです。
ここまで話して、ではこの作品の何が面白かったか。
それは設定です。言ってみれば、それ以外には無いです(絵はとても気にいっていますが)
統一された設定と、後から知る設定が織り成す構成は、ローグライクゲームの迷宮に入り込んだような感覚に陥ります。ところが途中からは案内役がいて、いろいろ変わるであろうマップの妙が、まるで味わえなかったような物足りなさを、脱出後に感じるようなものでした。脱出をした爽快感がないんです。これも、あまりにも物語に忠実すぎた弊害だと思います。読み手を喜ばせようとする意思が感じられなかったからでしょうか。つまりはこれも、メタ的な不満なんですよね。
物語としては自分も楽しみました。あまり時間を置かずにクリアをしたことでも、それは間違いのないことです。
これが同人作品であったとしたら、絶賛していると思います。とにかく作者のやりたいことを貫いている気持ちは伝わりますし。
ただし商業として考えた場合、とても褒められるものではないと思いました。OPEDがないことも、同情はしますが肯定はできません。むしろ、余韻を否定しているともとれるものです。
まとめると、読ませよう楽しませようという商業的な気概を一切感じなかったというのが、この作品の感想になってしまっています。ですので、評価は低いです。