29年越しに願いが叶った、良リメイク
エロゲ史上、最も話題を攫ったであろう伝説のゲーム『同級生2』のリメイク作品。
DMMがelfの作品の版権を得てから、『同級生～Another World～』、『ドラゴンナイト5』、『卑作』など、往年の名作を取り扱ったブラウザゲーが出てきたものの、プレイ人口も少なくどれも権利の無駄遣いと思わざるを得ないものばかりであったが、そんな中で2021年に発売されたのが本作の前作に当たる『同級生リメイク』であった。
1992年に発売され、その後のゲーム業界に多大なる影響を与えた『同級生』を現代に蘇らせたことは、それだけで意義のあることであったと思う一方、原作リスペクトの観点からシナリオには一切手を加えないと言いながらも、DOS版ではなくWin版のシナリオが採用され、当時のままエロイッカイズツ（寧ろないキャラもいる）という残念な点もあった。
しかし本作では、エピローグ後におまけのエロシーンが追加され、（当時としては珍しくもなかったが）エロシーンのなかったキャラとも、29年越しに結ばれることができるようになったのである。また前作『同級生』はある程度適当にプレイしても攻略可能な難易度であり、イージーモードのメリットがあまり目立たなかったが、『同級生2』は攻略期間の短縮（3週間→2週間）、取返しの効かない時限フラグの多さ、その存在にすら気付けない隠しキャラまで存在するなど、PC98時代のエロゲの中でも屈指の難易度を誇ったゲームであった為、フラグスケジュールの可視化と、マップに出現するキャラが一目瞭然となったことによって、当時遊び尽くしたリアタイ勢でも見たことがなかったセリフなど、新たな発見が多くあり、このゲームの奥深さに改めて感嘆させられた。
売上としても前作本作共にそれなりの成功を収めたようなので、順当にいけば次は『下級生リメイク』ということになるのだろうが、大人の事情もかなりクリアされてきたのではと思われるので、幻の『同級生3』にも期待したいところだ。