主人公が……。
主人公が好きにはなれません。
日常シーンではまともな、どちらかと言うと好感の持てる主人公なのですが、ヒロイン攻略に際して突然性犯罪者になります。かなり驚きました。相手の想いが不確かな状況で、不意打ちに、強引に唇を奪います。結果だけ見れば両想いになりますが、それでもあり得ない行動でかなり嫌悪感が湧きました。ほぼ無理やり襲う場面もありました。そのため不快感が湧き、物語に感情移入することができませんでした。
シナリオ自体はそれなりに面白いものでした。納得のいかない場面もありますが概ね王道でよかったと思います。残念だったのはヒロイン二人のシナリオで、それぞれヒロインが莉都と対決するシーンがあるのですが一人目の結果を見たあとだともう一人の方も予想ができてしまうこと。先輩のシナリオでは勝敗が逆だったほうが個人的にはよかったです。それと莉都シナリオでの莉都の活躍があまり見られず残念でした。彼女のヒーロー的な完璧超人ぶりがもっと見たかったです。
残念だった点ばかり列挙しましたが、主人公のそういった行為が気にならないなら普通によい作品だと思います。特に莉都はかなり好感の持てるヒロイン……親友的なキャラクターです。正直そちらの心情的なシナリオを期待したくらいです。親友だと思う気持ちと異性として想う気持ち、みないなところでしょうか。タマをメインにしたこのお話もよかったのですがどうしてもヒロインがタマに見えてしまって……また不満を言っているようになってしまいましたがそれもこれも月光館の雰囲気が好きだからです。だから主人公のわけのわからない犯罪行為が残念でならないのです。
他の男キャラは普通にいい奴らでとても好感が持てました。
小夜璃さんと莉都を筆頭に女性キャラも好感が持てました。
シナリオも悪くないしテキストも悪くない。なのに全体の評価が下がる。何が悪いかと言えばやっぱり主人公が……と振り出しに戻るのでこの辺りで終わりたいと思います。
私は気にしましたが、他の方はあまり気にしていないようなので参考までに留めていただければ幸いです。