タイムトラベルと映画制作の落とし所が唐突だが、文章に捉われずに感銘を受けたのは久しぶりで、絶賛はできないが上手い作品だと思った。しかし、色々と難があるので攻略がなければ投げそうだった
☆コメディ
原画が2人いて、絵柄が全く異なるのでそれが良くも悪くもある。
綺麗な原画→立ち絵、可愛いCG、エロCGを担当
ギャグ原画→フェイス立ち絵、ギャグCGを担当
と分担しているので、綺麗な立ち絵が表示されている横で、
ギャグに走ったフェイス立ち絵が表情豊かに動くという演出がなされる。
今で言うメインとSD画のような関係だが、
CGは両原画がそれぞれ描いていて、どうでもいいシーンはギャグ原画が多い。
問題点は、ギャグ原画が一枚絵の大きさだとCGが粗すぎて、連発されると全然笑えないこと。
SD画は意図的に可愛く崩すことで読み手に良いイメージを喚起していると思うが、
本作ではヒロインが男らしいか端的に言って気持ち悪いので、CGが崩れていることがさほどプラスに働かない。
まだRumble ~バンカラ夜叉姫~の方が笑いの持続力があった。
(あっちはシステムが犯罪級にひどいが)
☆システム
システムはVisual Basic製。
テキストウィンドウに機能が付いていない、
スキップはEnterかSpaceを押しっぱなし(音声オフにしないと遅い)など問題が山積み。
チャート機能など一部に工夫は見られた。
チャート機能は通ってきたイベントならどこでも戻れるが、
フラグ管理が手間なので回収漏れを確認する程度にしか使えない。
分岐をチャートで可視化してはいるが、共通ルートすら何度も枝分かれするため、
ヒロインのイベントが端の端にあったりすると見つけるまでが作業。
少しでもイベントを見逃すとENDに入らず、普通にやっていると陽子ENDばかりになると思う。
チャートをほぼ全て埋めないと攻略の態勢が整わず、それまでの周回が無駄になるのはよろしくない。
☆シナリオ
映画制作の熱さに対し、シナリオは地味な場面が多かったり、陽子・月子以外のENDはおまけ感が強い。
エロ1回だけで終盤しかシーンがないので、エロゲーをやっていることを忘れそうになる。
総括として、メインのシナリオは光るが全体の完成度に難あり。
褒めようと思ってたのにボロクソな感想になってしまったが、環境があるならプレイするといいかも。
ノベルゲームでは久しぶりに映像作品に近い感動を味わったというか、映画を題材にした映画を見終えた気分。