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yumekuiさんの邪淫獣神伝JEVALDの長文感想

ユーザー
yumekui
ゲーム
邪淫獣神伝JEVALD
ブランド
BERSERKER
得点
7
参照数
305

一言コメント

(GiveUp) 若気の至りでついクソゲーができ上がるのは仕方ない。だが作った物に最低限の責任すら持てないなら、作らない方がいい

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

説明書を開いて最初に目に飛び込んできたのは、こんな文章だった。

>数々のHゲームソフトを手がけてきた熟練スタッフ達・・・いつも通りの会議が終わろうとしていたその時、一人がいいました。
>「俺、絵もシナリオも音楽も・・・全て一から考え直したいんだ」
>彼は一枚の企画書をみんなに配り終えると、意見を待った。
>3分程の沈黙が続く・・・最初に発言したのはシナリオの人だった。
>「すごいじゃん、俺やってみたいよ!!」
>その企画書は、見事なことに誰もが作ってみたい&プレイしてみたいと思え、そして誰もがその場でイメージできる代物であった。
>だが現実を振りかえると、我々の会社は小さく、それだけの企画をこなせるだけの体力は無いに等しかった。
>コンスタントに商品を出さないとすぐに置いて行かれてしまう業界である。
>その企画を動かすとなるとどんな大手の会社でも最低半年はかかる。それは誰もが分かっていた。

>だが、諦めるのが嫌いなスタッフ達は、理路整然な顔で
>「フッ、今に始まった事じゃないよ」
>「オッケー」

>その後、BERSERKERブランドのスタッフが結成されました。
>その第一弾がこの「邪淫獣神伝JEVALD<ジェヴァルド>」です。

こうして生み出された新しい形のゲーム。
ここまではよかったが、形が新しいだけでゲームにはなっていなかったのである。

起動してまず驚いたのが、ゲームウィンドウがCG、テキスト、コマンド選択の3つに分かれていたことだ。
本作はコマンド選択式で、テキストとコマンドの2つのウィンドウを交互にクリックすることでゲームが進む。
ウィンドウをそれぞれ自由に動かせるのが利点だが、
キーボード操作不可のせいで手が疲れないような最短距離を取ると自然と配置は決まってくる。
つまりウィンドウを分けている意味がほとんどない。

それに加え、ウィンドウ2つが毎回のように描画し直すので負荷がかかり、フリーズしやすいという欠陥がある。
具体的にはテキストとコマンドのウィンドウは同時に表示されず、
一方が出るともう一方が消えることを繰り返し、動作が重い。
これにCGの描画が加わると画面が真っ暗になったまま数秒経過し、場合によってはそのまま停止する。

他には、コマンドとセーブ・ロードが一緒になっているので
テキストウィンドウが出ている時にメニューが一切使えない、
ロードした場面によっては描画が重くて止まる、など。

説明書にはシステムの詳細が全く記載されていないどころか、唯一書いてある情報も半分間違っている。
タイトル画面に「途中から始める」と表示されるとあるが、そんなものはどこにもない。

自分たちを熟練だの理路整然だのと形容する人々が信用できないという最たる例だろう。
フリーズせずに最後までプレイできれば、まだ評価のしようがあったと思う。

追記:
17/11/10に仮想Win98で再プレイ。
結局フリーズしてしまった。