人は誰でも夢を叶える翼があるというテーマを飛行機の翼に見立て、木製飛行機を飛ばす話だが、肝心の飛行機製作に読み応えがない。絵と声優がマシな以外、コンプは意地という名の苦行
【良い点】 総評:ガワはわりと普通
・テキスト自体は並
・システム面に大きな問題なさそう
・立ち絵、声優が悪くない
・OPソングがいい(OPがピーク)
【悪い点】 総評:とりあえずツッコミ所が多い
・ゲームが非アクティブ時に動作不可
・テキストの説明とCGの相違が目立つ
妹が裸を恥ずかしがらないと書いてるのに隠したり、
足を捻ったと書いてるのに膝から流血してたり、
すり合わせを怠ったと思しき箇所が多々。
・主人公のうろたえようと無能ぶりがひどい
序盤の飛行機製作にやる気が感じられない反面、
夢ばかり大きいので心理描写が誇大妄想気味になる。
喜ぶ時だけ異様に熱苦しいタイプなのも鬱陶しい。
・飛行機の製作途中や全体像を映したCGがない(具体性×)
・飛行機製作にメリハリがなく、全体が締まらない
・日常会話がワンパターンになってくる
・一部ヒロインが属性ゴリ押しすぎてあたおか
・重い病気で足が動きにくい妹が日によって歩き回るなど、核となる設定が軽く感じられる
・紅羽のセリフが意味不明(口調が戻る理由も不明)
・口調の変な男キャラが基本的にスベってる
・個別ルートに共通シーンが多め
・テキストの脱字、日付がおかしいなどのバグ
・木製飛行機にエンジン、プロペラ、人力などの動力が一切ない
作中説明を纏めると「翼の形状さえ何とかすれば飛行機は空を飛べる」
となるのだが、物理的に困難。
本作の木製飛行機は紙飛行機のように離陸から着陸までこなすが、
着陸シーンの描写は現実的に難しいだろう。
離陸・・・飛行機が坂を滑る力が飛ぶための推進力となった
飛行・・・翼の形状が本物の飛行機と同じように空気の流れを生み出した
と好意的に解釈しても、
機体+人の重量を紙飛行機のように着陸させるには、
エンジン等による制御がないと一定の移動速度を失った瞬間、
機体は真っ逆さまに落ちていくはずだ。(現実の飛行機の性質)
本作の飛行機飛ばしは
「機体が坂の斜面を滑る力を利用して飛ばす」
「陸軍飛行機の設計図通りに木を組み立てる」
という要素が満たされているだけで、
物理的には
「離陸後の制御の大半を風と重力に任せた模型に病気の妹を乗せ、
坂を利用して空中に放り出す」という
傍から見て殺人か、狂気の沙汰としか思えないことをやっている。
だが、作中のシーンでは紙飛行機のようにゆるやかに減速した後、
機体バランスを保ったまま着陸し、大団円を迎える。(ご都合主義)
実際ここまで考えなくとも飛行機製作の段から充分つまらないので、
だいぶモチベーションを削がれる。(そしてこのザマだよ!)
本当に飛ぶかわからない描写について色々考えるのは楽しかったが。
【補足】
作中の少ない描写とWikipediaを照らし合わせると、
飛行機は布張り木製の複葉機というやつっぽい。
調べる前はどこに布を張ってるのかすら不明だった。
翼がまるごと木になっているのかと・・・。
【コンプした感想】
主人公が成金クズになる世界観ぶち壊しENDが意外だった。
意味わからんけど本編よりおかずになりそう。
場面や演出が繋がってないボロい箇所が散見されるが、
シナリオ自体は淡々として破綻が少ないので
単純につまらない傾向が強い。
地雷としてはネタになりにくい。