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yumekuiさんのRemelの長文感想

ユーザー
yumekui
ゲーム
Remel
ブランド
うさぎ倶楽部
得点
41
参照数
130

一言コメント

当時は斬新かもしれない。今だとどこかで見たような話の組合せになってしまうが、出来はともかく思い切ったシナリオと言える面はあるだろう

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

▼シナリオ
病院のベッドで目覚めた主人公は記憶を失っており、
記憶を失う前から付き合っていた恋人や、
主人公が交通事故に遭った原因である女の子などと接していくうちに自身の真実を知ることになる。

▼感想
全ルートに共通の設定があるわけですが、
内容をちゃんと消化しているのは4ルート中1ルートのみです。
最初にプレイした美琉ルートで主人公の設定について知ることができましたが、
それ以外のルートからやっていたらシナリオがよくわからなかったでしょう。

キャラクターの立場を整理すると、
修二→主人公
裕也→昏睡状態で入院中
里穂→修二の彼女
美琉→事故に遭いそうなところを修二がかばった女の子、裕也の友人
夕花→裕也の妹
由比→夕花の友人


(ここからネタバレ注意)


ネタバレになりますが、
個別ルートでは修二に裕也の精神が入っていることが明らかになり、
主人公(裕也)はどちらの人生を選択するのか?という問題にぶつかります。
ただし、それを明確に説明しているのは美琉ルートのみで、
他のルートでは後から出てきた電波キャラが大まかに説明するだけ。
ゆえに大半のルートは説明不足で、入れ替わりの設定とは別の方向でオチをつけます。
作品全体からいってシナリオの広げ方は上手とはいえないです。

最終的に裕也が元の体に戻るルートとそうでないルートがあります。
元の体に戻るルートは全体的に陳腐です。
美琉ルートはもう一人の美琉の設定が生かされておらず、
ただ真相を知るだけのルートでした。
里穂ルートは主人公が身を引いて、本当の修二が目覚めるごく普通のシナリオ。
夕花ルートはHした、戻った、だけで話としては最も薄い。

由比ルートのみ、裕也が元の体に戻らないルートです。
電波キャラが連れてきたモブ男に、なぜか由比が輪姦されます。
主人公は由比を好きになり何度か体を重ねますが、
由比が身を引いて付き合わずに終わり。
正直、展開の繋げ方は悪い意味で同人レベルだと思います。
ただし、当時こういうシナリオが少ないとすればそれだけで価値があるでしょう。

里穂、美琉、夕花は、裕也が元の体に戻る前にHシーンがあります。
体は修二で心は裕也なので、
精神だけなら夕花は実妹ですし、里穂は他人の彼女です。
個人的に一番評価しているのはエロシーンの選択肢で、
1つのシーンでシチュが何通りかあるので意外と飽きませんでした。
中出しを嫌がるヒロインがいますが、
「それでも中出しする」という選択肢があってそういった会話ができるのは良かったです。
CGは原画によってバラつきがありますが、そこは月姫に勝てているでしょう。
BGM等も当時のレベルなら及第点以上だと思います。