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yumekuiさんのFinal season「バッドENDを救え!」の長文感想

ユーザー
yumekui
ゲーム
Final season「バッドENDを救え!」
ブランド
TRYSET MAD
得点
37
参照数
168

一言コメント

時間改変という題材のみに惹かれて早八年、橋野次郎を見つけたら教えて。と書ける程に長い時間が過ぎてしまった

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

話としては2作目の愛欲MAD催眠がまともに読める内容じゃなく、
そこからどんどんライターの脳内会話に終始する傾向が強くなり、
ついていけなくなったと同時に興味を持てなくなった。
シリーズ最終作までプレイしたのはただの意地である。

言わんとしていることはわかるが、テキストの意味一つ一つを追っていくのが難しいので、
結局はなんとなく分かればいい程度の作品なんだろう。
何気に細部の説明に矛盾がないかの確認作業を諦め、
正否を保留にしたまま読み終えた(やる気をなくした)初めての作品なので、そこは悔しい。

ライター1人で原画と彩色以外を担当したからか、
少人数制作の同人サークルにありそうな要素間のバランスの悪さが目立つ。
抜きゲーに相性が悪いとしか思えない抽象的な会話だらけのシナリオに、
簡素な立ち絵変化やシュールなカット絵・演出が組み合わされるさまは
一生懸命に生徒が描いた美術2ぐらいの絵を通信簿では4にしてあげたくなるような、何とも言えない気持ちになる。
(絵そのものより描こうとしている着眼点がいいですね!とかいうコメント付きで)

そもそもCGの一部を切り抜いてカット絵として使うにしても、
CGで全裸だったおっさんの一部を切り抜いて、会話中に表示するのはセンスを疑う。
誰が話しているのか分かりやすいけど、シュールでしかないw
テンダーハートの発動のたびにまどかの顔の切り抜きを心臓の位置に表示するなど、
本作は美術1みたいな風景を作り出す気概にあふれすぎて、
自分なら絶対できないな・・・とすごいようなすごくないような感慨に囚われてしまった。
作りながらやけっぱちでギャグとして演出を盛りまくったのか、
類稀なる感性がそうさせたのか、謎は深まるばかりである。

まあ、バッドエンドを救え!というタイトルを裏切る内容ではなかったため、
過去を一つ一つ変えていく構成には満足した。
内容のアクが強すぎてヒロインを好きになれず、抜きゲーとして使えなかったのは残念だが。

搭載されているパンスト切り替え機能は、全て脱がす方にした。
パンストには嫌な思い出があり、以前デリヘルでパンストのオプション(¥2,000)を頼んだら
写真とは別物の北都晶が来たうえにパンストも持ってこないという意味不明なことをされ、
パンストを破くという貴重な初体験を悪人によって嫌な思い出に変えられた。
滋賀の格安デリヘル、絶対ゆるさねぇ・・・。
思い出したらもったいない気がしてきたので、
今度パンストを買ってきて、うまいこと何かに被せて破くことにしようかな。
ありがとうTRYSET MAD。