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yumekuiさんの426の長文感想

ユーザー
yumekui
ゲーム
426
ブランド
FrontWing
得点
70
参照数
97

一言コメント

3本のバランスが良い。スイートレガシーは料理対決マンガ、501は男3女1のチームで賞金を争うデスゲーム、アズラエルは綺麗な作りの死にゲー

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

【スイートレガシー】
主人公が女装してパティシエの学校に入り、校内試合に出場する羽目に。
選択肢でお菓子作りの工程を決め、何回か間違った選択をすると負けてしまう。
全体的に端折り気味なのは否めず、評価できるのは女装主人公のおまけがある点か。

【501】
1周する分には普通に面白いが、既読スキップがないことがネック。
分岐が少ないので最終的にはエンドを見る作業になり、前半に感じた楽しさがやや間延びしてしまう。
CGも残念な部類。

【アズラエル】
塗りが最初はいまいちに感じたが、BGM・声優含めて調和が取れており、テキストも上々といったところ。
死の運命を回避する側面が類似作品に比べると格段に弱く、
むしろ回避できても一定の犠牲は避けられないため多少後味が悪い。
しかし、いずみの身代わりになる見返りがそれまでの選択肢に関係し、
攻略したヒロインへの思い入れをエピローグでより一層強くできるのは高く評価。
また、死にどうやって抗うかよりも死ぬまでに残された時間をどう使うかが印象深い。
恋人に甘えるだけのシーンでも死という外部設定により意味深にできるのは、良くも悪くもシンプルだからだろう。

余談だが、アボガドパワーズの「終末の過ごし方」は終末という絶対的な外部設定に頼りすぎな面があって、
ゲームとしても1週間を無為に過ごしている印象が強い。
なので個人的には終盤のテキストしか評価できなかった。
一方、アズラエルはヒロインを同時に攻略せず、1人ずつ攻略する形式なので構成にムダが少ない。
終末(死)に向かって2人だけの世界を構築するという意味では、終末ものじゃないけどこっちの方が優れていた。