【2つの想いから1人を選択する胸が引き裂かれるような和風恋物語】
【総合評価】75点 【シナリオ】32/40点【原画】16/20点【音楽】16/20点【キャラ】7/10点【声優】4/10点
★感想
政略結婚という愛のない契りから徐々に恋心を抱いていくサハナとの恋と、記憶を失った間に恋をしたスイリンとの2つの恋が交差する恋物語。どちらの√も馴れ初めがしっかりしており、徐々にお互い惹かれていく過程がすごくよかった。その分、どちらの女性と生きていくかを選ぶシーンでは、本当に心が痛く感情が突き動かされる。サハナを選んだ際のエンディングでは、思ったよりもスイリンが悲しい結末にはならないが、スイリンを選んだ後の結末は読んでいて本当に苦しいものがあった。主題歌の映像にもあるが、「彼女のために選び、彼女のために選ばない。」これが本当にこの作品のすべてだと思う。
★よかった点
序破急で物語が展開されるので、非常にわかりやすくまとまっている。また、文章が読みやすい上に一つ一つのシーンに一切蛇足がなくテンポも良い。2つの物語を読んでいるからこそ感情を強く動かされる物語の構成をしっかりと生かした素晴らしいシナリオだった。
タイトル画面でのBGMや主題歌・EDを除くほぼというか全て(?)の曲が、どこかで聞いたことのあるフリーBGMだが、やはりどの曲もいい。戦闘シーンだけはこれじゃない感はあったが、全体的に作風に合っている曲が使われておりよかった。
★悪かった点
まず初めに、SteamにあるPVは絶対に見ない方がいい。だいぶネタバレというかあの映像で大体の物語の展開や結末がかなり想像できてしまった。
同人作品のため、致し方ないがUIUX面が壊滅的だった。
ノベルゲーマーとしてどうしても許せない点としては、
①ボイスの聞き返し機能がない
②ボイスの再生停止のオンオフがない
③シーンバックができない などが挙げられる。
あとは、steamの紹介文にて記載があるので最初からわかってはいたことだが、メインキャラ以外の声優が付いていないこと。特にラオやリクをはじめとする男の主要キャラは重要だったので、ボイスがあればもっと感情移入がてきたと感じたため残念だった。
メインキャラたちの声優の演技は及第点といったところか。スイリンもサハナもどちらも声はいいし、演技も決して下手ではないが、時折イントネーションがおかしかったり泣き演技にはやや不満が残った。
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