言うほど意味不明じゃないが、理解したから面白いかというのはまた別なワケで。
とかく序盤の回想や場面転換の激しさやその内容の突拍子さ、読む側のミスリードを誘う手法で『意味不明』と断じられ易い作品ですが、
何のことは無い、一応全部とは言わぬまでも、だいたいのところは理解できるようになりますよ。……最後までやれば。
とはいえ、その「最後までやる」という作業が辛く、また最後までやってシナリオの上手さに唸らされるのかと言われればそんなこともなく……
キャラクターも生かしきれているかというとあまりそうでもなく、他キャラの個別に入ったとたんに不自然に出番がなくなる弓やら、シナリオを通して活躍の場面が殆ど無いのぼりんやら……
(彼女のルートだけとてもコミカルな感じで、だいたいの人はこのゲームに求めていたのはこういったシナリオなのではないかと思います)
まあとにかくライターが書きたいものを全部詰め込んで、よくもまあこんなもんを書ききったなあという意味では褒めたくはなりますが、面白かったかというと首を振らざるを得ません。横に。
個人的に良かったなと思えるのはミールートで、やっぱり例によって分かり辛くはあるのですが、なんとか破綻無く、しかも綺麗にまとまっているので、彼女自身のキャラを気に入ったこともあって結構ウルっと来ました。
ですが、流れとして繋がる最終章はなんかこうひたすら同じような展開を3回ぐらい、しかも1回ごとにインフレ度を増大させつつ繰り返した感じで、終わったところで達成感よりも「やっと終わった……」という開放感が勝ってしまいました。
○○大集合の流れはちょっと笑わせてもらいましたが。
安く買ったので「損した！」とまでは言いませんが、かかった時間と天秤にかけるとそれでも「得した！」とは言えないゲームでした。時々光るところもあって勿体無いんだけどなぁ。