最高傑作の一言
プレイしたのは、ずいぶん昔になるが未だにこのゲームを超える作品を見ていない。
近い作品はいくらかあるのだが。シナリオは元よりシステム、CG、BGMどれも突出している。歌がないくらいだろうか。
SF、ミステリー、伝奇、燃え、萌え、鬱、泣き、インテリ(アカデミック)のすべてを網羅しているは凄い。ここまで手放しで褒められる作品は少ない。
フローチャートを捻ったADMSというシステムを採用して、それを上手くシナリオに生かしている。ADVでありながらRPGをしているような感覚になるほど引き込まれた。
多世界作品はいくつもあるが、この作品ほど納得できる答えを提示してくれる作品にお目にかかったことは数えるぐらいしかない。
ただ、今のユーザーがこのゲームを受け入れられるかは疑問。
個性の強い主人公。個性の強いヒロイン。個性の強いシナリオ、システム。
システム面では作業に感じるプレイヤーも多いかも知れない。
当時は人を選ばない作品だと思っていたが、今だと結構人を選ぶかも知れない。
攻略サイト必須だと思われる。
シナリオや世界に関する考察や面白さについては、語られ尽くしているのであえて書かなくていいかも知れないが…
すべてに謎があり、その謎が明らかになっていく課程は楽しくて仕方なかった。
並列世界、リフレクター、宝玉、近親相姦議論、家族、数学、物理学と歴史学、異世界、人体実験、文明の行き着く先。
一番上手いのは事象素子という粒子をオリジナルに組み込んでいること。
当然ながら最先端の物理学でも、今現在確認できていない。当たり前だが。
近い素粒子はいくつかあるが、それらを含めてもすべての原子に事象素子があるから、
因果律に逆らうことはできないとする考えは、物理学っぽい哲学でとても面白い。
これこそSFと言える設定だと思う。
一番好きなキャラは絵里子先生。最初から最後まで最高のキャラ…というより人物だった。
100点を入れないのはこれを超える作品が将来出てくると期待しているため。