泣きゲーというジャンルを普及させた名作
当時、新しいジャンルが出たと話題になったことは良く覚えている。
このゲームを機にノベルゲームで音楽とシナリオを駆使した心に訴えかける作品が数多く出ることになった。
ネット内でのコミュニティでも一般にエロゲとはオタクがするものという概念が崩れ、より多くのユーザーがプレイすることになった。
ユーザー通しが書く二次創作のSS(ShortStory)が増え、BGMをMIDIでリミックスした曲なども増え、あとのゲームにも大きな影響を与えることになった。
今やってみると絵がダメ、思ったより泣けないなどがあると思うが、今でもシナリオと音楽には文句の付けようがない。シナリオも抽象的で終わり方もはっきりしないで奇跡を多用するのを批判されるところもあるが物語の本質ではなく、音楽ときっちり融合させてユーザーの心に訴えかけるところが一番評価するべき点だと思う。
LastRegretsや風邪の辿り着く場所などの歌の使い方も上手く、冬の花火や風邪を待った日などのBGMもクオリティが今のゲームと比べてもなんら遜色ない。
麻枝氏の作曲能力とシナリオは当時から凄かった。真琴ルートは家族をテーマに書いたシナリオで今でも通用すると思う。名雪や香織と言ったヒロインやサブもきっちりと役割を与えられており、良くできていると、とても感心した。