パープルソフトウェアは決して冒険しないシナリオしか許さないメーカーだと改めて感じた作品。杏奈ルート一本に絞るか詩と伊織のルートをもっとスマートに書くべきだった。
いつもの紫とのコメントがあったが、まさにその通りだった。とにかくシナリオを長く書きイチャラブとエッチをきちんと数回入れる。
良かった点は、冒頭の杏奈と終わりの杏奈のシーン。もしライトノベルで杏奈だけのシナリオを書いていたら、そこそこ評価されたのではないかというシナリオだった。
悪い点は、長すぎてダレてしまうストーリー展開が多かった。ありがちで興味の惹けないシナリオが大半だった。
詩と伊織ルートも、あれだけこの物語のメインの杏奈の未来シナリオに関わっているキャラなんだから、もっと未来シナリオと絡めたイベントをかけたと思う。
とりあえず個別ルートを消化させるためだけに作った印象をうけた。
よくオーガストと比較されたりもするが、一作一作をただ淡々と商業作品として作っているため、シナリオが薄いゲームになっていると思う。
明日の君に逢うためにが一番評価できたゲームだったが、あれも適度に興味を引きそうなプロットを作り、それで押し通してエロゲを作るという手法は、あれからまったく変わっていない。
伊織と杏奈と詩の関係も、もっと深く追求できた良いシナリオにできる可能性があるのに、俗に言われる処女独占ユーザーに契合してしまい書けないのかも知れない。良いゲームになる可能性はあるのに残念だった。未来編の杏奈と詩、ハルさんがいいだけに。もう、ぶっちゃけ序盤と未来編だけでも良かったのでは。
杏奈ルートを評価できる人ならいいが、それもぶち壊してしまいかねないシナリオの冗長さは相変わらずパープル。
何回も言うが杏奈ルートのできはいい。「ただし」が付くが。