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yjeさんのANGEL-COREの長文感想

ユーザー
yje
ゲーム
ANGEL-CORE
ブランド
RUNE
得点
85
参照数
468

一言コメント

雰囲気、設定の作り込みは凄い

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

第二次世界大戦直前の統一帝国。天使たちの住処に、主人公がやって来る所から物語は始まる。
専門用語が多いですが、設定の作り込み具合や、全体的な雰囲気作りは素晴らしいです。
特にBGM、楽曲はこれまでプレイした作品の中でも屈指。シナリオもソコラタ、ゾフィーのルートが中々面白かったです。
ヒロイン同士に結構横の繋がりが見られるのも良かった。
バトルシーンはそう多くはないですが、ヒロインや登場人物に死人がたくさん出るので、そういうのが嫌いな方には
勧められないかな。
Hシーンは序盤から多いですが、尺が短いので実用出来ませんでした。設定的にも、テキスト的にも淫靡な雰囲気は感じ取れたのですが。
声は全員良い感じ。まきいづみさんのサラサは良くも悪くも、凄い彼女らしい。

残念な所としては細かい粗が多い事。
CGの差分が少ないせいで、HシーンでテキストとCGが合ってない事が多いです。CG自体も一部崩れてるシーンがありますし。
ゾフィーのパンツを毎回変えるくらいなら、その分の労力をちょっとでも差分に回して欲しかった。
テキストと音声が合ってない事もありました。テキストはマスケンヴァル中尉なのに、音声はラルフだったりなど。
攻略が若干面倒な所も難点。狙ったヒロインのルートに入り難いです。
後、最初のゾフィーの説明が凄いメタ的というか、なんというか・・・・・・
もうちょっとゲームだという事を感じさせない上手い説明の仕方は無かったんでしょうか。

設定、雰囲気は素晴らしいですが、最後までプレイしても全ての設定が明かされる訳ではないので、
ちょっと消化不良かも知れません。
エクリシアルートなんて、一体どうやってエクリシアが助かったのか分からないですし。
そして聖母体なんて設定があるのだから、1ルートくらいは聖母体になるヒロインがいても良かったかも。

最初のテキスト、「君は―ラルフ・マスケンヴァル中尉は」の部分は複線かと思ったんですが、特にそうでもなかったよう。
てっきりアラフニの視点かと思いました。TRPG関連の作品だから、それっぽいテキストにしたんでしょうか。

余談ですが、アンナルートだけベイカー大佐が微妙に有能なのが気になる。
あんな切り札があるんだから、他ルートでも披露する姿が見たかった。
ラルフと決闘したシュタイナー曹長が、終盤協力してくれるとか、そんな展開も見たかった。

ベイカールートが本当は含まれる予定で、しかも結構重要なルートだという話は本当なんでしょうか・・・・・・