妖怪モノとして一つの世界を作るなら妥協すべきじゃなかった。ある意味ものべのと同じ理由。
OP何回見ても人狼がカッコよすぎて笑う(嘲笑じゃなく)。マイナーな妖怪群の中で「人狼と月」って印象があまりに強すぎるんだね。たったあの一瞬で魅了される。逆に蝶の速度が速すぎてキモい。OPの都合じゃなくて作中再現だし理由もあるんだけど、こう「なんで蛍(ry」に近いものがある。
この作品は妖異が少ない。なので花子を脳内で無しにするとボリュームがぐんと減る。この作品別に「近代化に追いやられた生存競争」なんてことは無いんだけど、何故か「妖異が減っていく」話ばかりなんだよね。由岐奈は減る、みだりも減るイメージで進む、花子はそれこそ問答無用で減るうえに人狼も出さない。だから実際登場してるより少なさを常に感じてプレイする感じ。この減るのが実は伏線だったなんて展開だったら強引すぎる花子ルートですらそのままバッチコーイ!だったけどまあそんなこともなく。人狼と経立結局最後まで出なかったなぁ・・・
自分はものべのを「良質な妖怪話をエロゲライターに預けたらクソみたいな作品にして返してきやがった」と思ってる。でも妖怪の話だけ切り取るなら最高。
このゲームは妖異の話はいいけど妖異とそれ以外という区切りじゃない。花子がアレだけど花子だけ切り取るにしても「自分が思ってるから」で紅を美少女にしてしまってる。夢落ちならまだ許せた(だってそういう世界だし夢の妖異も出せる)けどこれはダメだと思う。夢という理由を用意せずに夢落ちやってるみたいなものだし。そういうダメな部分が混在してるのでどこでという区切りも無いまま、でも世界を作れてるかというと微妙な作品。
でも「生きるの下手な人が生を終えられた」のは本当によかったと思います。