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yarkinさんの白昼夢の青写真の長文感想

ユーザー
yarkin
ゲーム
白昼夢の青写真
ブランド
Laplacian
得点
90
参照数
437

一言コメント

文句なしのSF。導入部分~序盤は抵抗があるかもしれないスロースタート気味。あらすじ読んでも良くわからず不安だったがシナリオはかなりしっかりしていた。

長文感想

最初は主に3つのストーリーを読む勧めていく本作。中世、近代、近未来の話である。
それぞれの大まかなあらすじはシェイクスピアが作品を描く話、教師と教え子の話、ある少年が理想の写真を撮るために奔走する話となっている。そしてこれらの話を読み終えた後、本編が始まっていくという流れ。

どれも文学的にはそこそこ完成度の高い作品で並みには楽しめた。少々パートが重かったり、軽かったり、にかりよったりしていない話なのは飽きずに読み進められてよかった。

その3つが終わった後にはこの話をなぜ見させられたのかという事が明るみになる。
さてこの本編であるが素晴らしかった。先の3つの話との関連性が随所に見られてこことあそこがこう繋がるのかといった事を発見出来たりもする。
一番の見どころはとある困難があってそれに対して主人公がどういう風に決断していくのかという所である。世界の謎が明らかになったりしてすべての思惑がつながる所には感服した。

SFであるが一時期はやっていた泣きゲーにかなり近いものがあり、そういう雰囲気を求めている人には大変満足できると思う。

ただ最後の辺りがもしかしたら嫌いな人が若干いるかもしれないので注意。個人的には大変綺麗に終わったが、そのような感じも多少みられるので全体的に高品質でいるシナリオゲーをプレイしたい人にはぜひとも勧めたい。