TRYから出した意味のある作品。そこそこに穴があるものの、作品全体から挑戦という雰囲気が伝わってきて、新鮮な気持ちで楽しめた。
話の根幹としては葛の葉や芦屋道満などの伝説を元にそこからの自己解釈と改変が加えられている。
キャラの掛け合いも面白いし、ゲームとしてもバランス良く作られている。
ただ、全てのルートを見るためには強制的に4週しないと見れない事が辛かった
ルート分岐時点で全て見れるならまだしも、最終ルートを見るためにはそれぞれのクリアが必要となる
なので共通ルート、戦闘を含め最初からやり直す必要が出てきてしまう
最終ルートはおまけ的なルートと言えるかもしれないが、自分としては一番やる価値のあるルートだと思えた
シナリオ的には前述通り、伝説をなぞらえたものであるが、各人の性格的考えに少し描写不足が見られる
何故蜜柑を鼠に変えたのか、変えて何をしたかったのか、あの性格で勝ちに執着するか、何故追い出されたかなど
伝説をそのまま持ってきた部分とキャラ付け的なギャップが生まれてしまってる様に感じた
この点においては、中途半端に代用せずに元々から書き直す、又は完全に代用しきった方が自然に感じた
ゲーム性を入れたためかHシーンの描写が物足りなく感じた事も
確かにゲーム途中での複数回Hシーンはゲーム部分に熱中してる時は邪魔に感じてしまう事もあるが
固有ルート確定後の朱・ルートではイバラキ死後の学園でのH、二人で月をみて酔いながらのH、顕光ルートでは旅先でのH
晴明ルートでは葛の葉との親子Hなど全て終った後のHシーンも欲しかった
ルート前半で固まってHシーンが流れるために、ご褒美的なシーンが少なく感じた
更に言うなら、最終盤でのHは戦闘への没頭感も消失してるのでHは長く、艶やかなもので作って欲しかった
キャラの掛け合いでは満子の声優が良かった
普段の主人公からは、ちょっとはっちゃけた感じであり、それでも主人公らしさを残していたりする
あのキャラでのHがあれば、それはそれで面白かったと思う
ゲームバランスでは難易度毎の難しさも適切で、キャラ固有の特技や性能も良かった
ただ後半になるにつれて回避一強となってしまうのをどうにかすれば、なお良かったと思う