シナリオは結構面白い。完全版を作って話を補完すれば、現代のエロゲでもかなり良い線いくと思う。
古めかしさを感じるシナリオだが、悪くないどころか面白い。
借金取りの主人公が、借金のカタにヒロイン「メイ・ルイス」を拉致し、共同生活を送るようになる。
最初は主人公のことを「変な人」としか思っていないメイだったが、街の人や主人公と暮らす共同生活が惜しくなり、何より主人公の温かい心に惹かれていくという。
主人公も主人公で、借金を踏み倒しそうにない人物が踏み倒すことでメイを守るように仕組まれたのではと疑念を抱き、メイという人物に惹かれていく様は中々良い物語になっていた。
荒くれた世界で、純粋な愛というのが輝いていて眩しいものに感じられた。
しかも最終的にメイを救い出すことが、人類の破滅に繋がるかもしれないという、そういう救われない話が私は好きだ。
惜しむべきは、メイが主人公に惹かれていく過程や、メイが共同生活をどんな風に過ごしていたかの描写が少なすぎるため、感情移入が難しい場面がある。
そこをもっと丁寧に補完して、サブヒロインはいらないからメイと主人公にスポットライトを当て続ければ、これは続編も期待できるような作品だった。
時代のせいもあるが、システムは厳しいものがある。
win10で起動出来た点は良かったが、セーブデータの数とかバックログに目をつむるとしても（せめてバックログは欲しかった）、難易度が高すぎる。あと周回ができない。
これは絶対に勝てないのではないか？という敵と４戦ぐらい戦わされた上、どうも難易度選択が出来ないので厳しかった。
ただ、この時代のゲームにしてはかなり良い線いっていた。
特に世間知らずのメイがモノを覚えていくという可愛さがあり、メイというヒロインが良かった。
十分現代でも面白い。
むしろなぜこれに低評価がつくのかわからない。
読みやすく、面白く、笑いも涙もあり、心に残る作品だった。
メイ以外のヒロインは正直出来が悪いと感じざるを得なかったが、メイだけは本当に良かった。
コンプリートガイドも買った。
しかし攻略メモの中身全集がると踏んで買ったが、メモには触れていなかった。
また各キャラエンディングの条件も記載されていない。なにがコンプリートか。
期待スペックや章攻略のコツは書かれてあったが、お金を出して買うほどのものではないだろう。対談は価値あるかも。