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yamatsubameさんの巣作りカリンちゃんの長文感想

ユーザー
yamatsubame
ゲーム
巣作りカリンちゃん
ブランド
KarinProject
得点
75
参照数
1461

一言コメント

巣作り×恋姫という旧大作がコンビを組んで新ブランドに出たことになっているけど、どっちの良さも50%にして100%になった作品という感じがする。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

 まず巣作りドラゴン的な部分に関しては、不満もありつつ良さもありという何とも言い難い。
 恐らく、前作のファンからすると不満のほうが多いと思う。
 モンスターにつけられるスキルを選択したり、成長の数字が変動出来る訳ではないから、ユニットの成長の幅という点では難点がある。
 だからユニットに愛着が沸かない。
 宣伝をかける人数を調整出来ないし、派遣先がlv50ぐらいになると出てくる敵が固定されて、前作のように勇者とか英雄がランダムに出てくる訳ではない。
 施設に関しても戦闘部屋が一つにつき一ユニットしか置けないので、迷宮作りの自由度も当然低い。
 というかボス部屋……の有効活用が全く思いつかない。
 総じて全体的に前作の巣作りドラゴンより、やれることの幅は狭まってはいる。
 
 しかし、キャラの量が圧倒的に増えた。
 恋姫を使った会話のボリュームは明らかにこっちの方が上だと思う。
 ターン数も無駄に伸びているし、羅針盤の開発とか周回プレイをすることでレベル上限を上げるなど、前作で出来なかったこともある。
 しかも、亜種とはいえ巣作りの続編を出したことは、これは評価せざるを得ない。
 よく出してくれたというか、CG技術もこちらの方が良い。
 ただシナリオにどん返しがないという物足りなさがあり、SSSでたどり着ける真EDも何かイマイチなオチだった。
 カズトが数奇な運命を辿るとかちょくちょく仕込みがあって、回収されたことを見逃している可能性はある。

 次に恋姫の部分だが、当方は恋姫を知らないので言い難いが、このゲームに歴史要素はない。
 恋姫って三国志をモチーフにしている訳だから、三国志要素が一つもないゲームという点で、恋姫ファンが望むものにはなっていない気がする。
 しかし、恋姫のキャラをきちんと登場させ、かつ量的なものに関してもヒロイン8人ぐらい登場しているはずだから、キャラのファンとしては満足出来ると思う。

 まとめると、劣化したように感じる巣作りドラゴンのRPG要素と、歴史要素が一切ない恋姫を混ぜて完成したのが「巣作りカリン」なので、どっちの良さも消しつつ混ぜ合わせた感じが否めない。
 とはいえ、Hシーンは一人につき最低二つあり、計20弱はある。30あるかも、イベント回想見づらい。
 続編かサイド変更した作品が出れば買うと思う。