エロゲの惜しい作品、となれば、この作品を思い出すことになるだろう。
いくつかの改善が出来れば、神作にもなれたと思う。
個人的な感想だが、サブヒロインのレベルがかなり高いと感じた。どのヒロインも個性豊かで、ありがちなサブヒロインではなく、興味のわくキャラクターだった。
だからこそ、しっかり攻略させて欲しかった。いくつかの回想シーン挿入は、めちゃくちゃテンポを下げてる。美味しいものを食べようとしたら用事が入ったかのように、何度も集中を妨げる。い本当に、回想ラッシュはひどいとしか言いようがない。
および、回想を入れなければ膨らまない、個別ルートの薄さ。共通はともかく、個別での失速がやばい。スーや稲穂は個別やるまえの方が好感を持てた。
色々な点で斬新、可能性を感じるゲームだったが、個別がこれではどうしようもない。なぜイサミのルートがないのかと思ったが、逆になくて良かったのかもしれない。
追記 75→85
見方を変えたら、数√の出来はかなり良い。
勿論、欠点がある。大きなものは二つ。
一つは量。他4ルートに比べて半分程の長さ。
もう一つはシリアスの濃さ。他4キャラに比べて、数は異質なほど萌えキャラとしての描写が少ない。多ければいい、というわけではないが、povの評価にもあるようにらぶおぶに期待されたのはコメディやラブ路線であった。シリアスを濃くすれば、必然的にコメディやラブの質が薄くなるわけだが、数√はとりわけシリアスが濃い。故に、らぶおぶに期待される展開とは大きく外れてしまっている。
だが……この数√、かなり出来がいい。ありふれた起承転結という枠から外れ、読みずらさはあるが、だからこそ読み直すことで評価が変わる。
例によって、このルートの最後の一文、理解できた人はごく少数ではないだろうか。
「無価値という価値を与えてくれてありがとう」
(中略)
この世の全てに向けて――無価値に笑うのだ。←これ。
無価値に笑うってなに?(笑)
つまり価値をつけられないってこと?
分からん(笑)
凄いシナリオだ……これこそ天才のシナリオである。
常識の枠を超えたシナリオ、理解できそうで出来ないシナリオこそが、完璧なシナリオだと思う。
例によって、ギギナや鳳√の評価は低いが……数と、まぁルキナで見れば、レベルは高い。