ごめんなさい、タイトルの意味が最後まで分からなかった。
「天使の羽根を踏まないでっ」
ごめんなさい、本当にタイトルの意味が分からなかった。
trueENDでは、タイトルにまつわる幾つかの話が出る。
主人公の”先生”が天使であり、羽根を持っている。
羽根とは翼や羽という意味でもあるが、根がついているのは落ちた羽であるから。
そこから類推するに、「天使の羽根を踏まないでっ」というのは、主人公から”先生”に向けた言葉であることが伺える。
……だとすれば、どうしても納得のいかない点が二つある。
タイトル絵に羽を生やした羽音がいることと、「っ」の意味だ。
もしも先生の羽根を踏むなという意味であれば、タイトルが先生の画像で良かったはず。
ここからは推測になるが、羽音は主人公の体を治すためにミュウを志したが、実は作中において、一度としてその願い通りに叶ったことはない。
また、太陽編から「天使の羽」とは、太陽の色であると同時に、時として消える物、また奇跡が生まれる際に具現化し、その奇跡とは意思の強さが生み出すのではないかという推測ができなくもない。
以上のことから、「天使の羽根を踏まないでっ」とは、羽音の叶わなかった意思を笑わないでくれ、という意味なのではないか?
「っ」という詠嘆の響き、タイトルが羽音であることを考えれば、こうかなぁと思わなくもない。
もしくは、主人公の羽音へ恩返しをするという意思、トロを救うという憩の意思、姉とよりを戻したいという照の意思、そういう叶わなかった意思をひっくるめて、踏むな、という意味……でも、ないのかなぁ。
……斜に構えすぎなのかな。
そんなわけで、このゲームは色々な楽しみ方、また感動があった。
特に感動した場面は、羽音√の心の叫び。
幼い頃は友達同士だった主人公と羽音だが、ある日、主従の関係に変わる。
当時の羽音には、その意味がよく理解出来ていなかった。
だから、主人公が望むんだために、その関係を与えることになる。
その結果、彼女は最愛の友達からこう呼ばれる。
お嬢様、と。
「オマエが使用人になりたいと言った時、私はオマエがやりたいならいいと思った。でも、それだけで、その意味なんて考えてなかった……!」
「私と友達じゃなくなるなんて、分からなかったんだ!!」←cvの青山ゆかりは、魂がこもってたね。
……分かる、分かるぜお嬢様。
知らなかったんじゃなくて、分からなかったんだよな。
仕方ないけど、それはやりきれないだろうに。
二人はずっと大切な”友達”だった。
少なくとも、羽音にとってはずっと続く友達で、その関係が終わると微塵も信じていなかったはず。
裏切られたと思ったのだろう、友情を……!
しかも、一方的な友情ではない。
主人公は、羽音と遊ぶ日を一年も二年も待っていたし、そのためだけに罰を受けることも躊躇わなかった。
使用人になった理由も、彼女に置いて行かれることが怖かったから。
お屋敷で自由に怠慢に生活し、楽しむ道も選べたはず。
あえて辛い道を選んだのは、それだけ彼女が大切だったからだろうに!
……まあ、ここは重要な場面でもないけどね。
このゲームは太陽編と月編で、がらっと雰囲気が変わる。
……一人のライターで、ここまで変わるのも珍しいのでは。
太陽編は銀髪姉妹の百合百合を、月編は登場人物の内面心理を深く描いてる。
朱門のシナリオは初めてだったが、それは素晴らしかったと思う。
パッケにライターの名前が一人しかなかったので、相当の自信作だろうと勘付けて買ってみたが、本当に買って良かった。
ぜひFDを出して欲しい。
でも、trueはいらなかった気がする。
そこで使ったネタは他に散りばめれば良かったし、この作品は神話うんぬんより登場人物にあると思った。