全部は出さないシナリオが好き。
シナリオのいくつかは心にぐさっと刺さるモノがあった。
大筋の流れは架空の騎士国と結び付けて話が進んでいく(コングランドとかそんな名前)。この国は江戸時代のように文明が遅れていて、なまじっが資源がある国。だから、忠孝仁義に厚い教育で発展のない国だが、発展する必要もなく(島国ということもあり)、まさしく現代に蘇る江戸時代という言葉が当てはまるのだ。
そんな異文化を通じて主人公が成長するわけだが、個人的には随所で光るコングランドの話が面白かった。
例えば、コングランドでは鎧と剣で銃や爆撃に立ち向かい、伝説を作り上げたアルマンという人物が出て来て、彼は英雄として現れる。
しかし、英雄は自分のしたことを後悔している面がいくつもあるのだ。娘が騎士にならねばならない状況を作っただけでなく、何より近代社会から取り残されている忠孝仁義を重んじる思想を打ち立てたことで、国の発展を大幅に遅らせたこと、そういった英雄に対する表面的な評価と内面の違いは心に突き刺さった。
また、勇気というのが、自分の持ちうる武器や能力で立ちむかうこと、というのも斬新だと思った。しばし勇気のある人間は評価されるが、その土台作りとして、自分が信じられる武器や能力が必要なのだ。
ただ、登場人物にはもっと理不尽に激昂して欲しがった。せっかく若い人間ばかりが出ているのに、肝心な場面で尻すぼみになるので、ぶつかり合いをもっともっと見れたら良かった。
システムは良くなかったが、最低限はあったので問題ない。それこそ最近の瞬き機能強制などよりは格段にまし。