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yamada_goroさんの幽世ノ災厄ト現世ノ戦姫 ~さやか篇~の長文感想

ユーザー
yamada_goro
ゲーム
幽世ノ災厄ト現世ノ戦姫 ~さやか篇~
ブランド
でぼの巣製作所
得点
85
参照数
2021

一言コメント

でぼの巣ひさびさのSLG。ただし新規ユーザー向け

長文感想

ここ最近ローグライクがメインだったでぼの巣製作所による久々のSLG。低価格作品。
原画家はいつも山本和枝ではなく元lightのGユウスケが担当。BGMはAngelNoteではなくヨナオケイシと押上極。ライターも暁WORKSで書いていた日野亘、衆堂ジョオのコンビ。さらにHシーンは異種姦ではなく人間相手のHとなっている。
どう考えても、従来のでぼの巣のファン向けではなく新規ユーザー向けのタイトル。

話は町に妖怪が現れたから、それをなんとかしなきゃと陰陽師であるヒロインのさやかが頑張っていく話。
ただしヒロインが戦うにはHをしないといけない。というエロゲ展開。
序盤はわけもわからず場当たり的に戦っていくが、後半は妖怪が出現した原因を探ったり、それを解決するために行動したりと徐々に盛り上がっていく感じ。ラスボス辺りの話は結構熱かった。
同じ低価格のローグライクの黎明期シリーズの話よりかはちゃんと物語していたと思う。

SLGの方は全7面。最初少し操作や攻略に戸惑うが、基本は仲間を呼び出して数で殴っていくスタイルなので、慣れてくるとそんなに難しくはない。状態異常は終始厄介だったが。
Hで得られるポイントでヒロインの技or呼び出す式神を増やしていくかの2種の強化が選べるが、先述の通り数で殴るのが攻略法なので、式神の種類増加を優先にしていけばあんまり詰まることはなかった。
2周目以降は敵が強くなり、新しい雑魚が出てくるので、ちょっと新鮮味がある。3周目も敵が強くなるが、ここまでくるともう作業ではあった。

Hシーンは序盤で1。選択するHシーンが16(1周で6回選べる)。エンディングで1。の全18シーン。いろんなシチュエーションが楽しめるのは評価できる。
選んだHシーンでエンディングが分岐した。効率よくプレイすると3周目で全部のシーンが見られると思う。
シーンの内容で「戦うために必要だから」と思ってHしているヒロインの恥ずかしがっている内心の描写やH中に徐々に感じて乱れていく感じは可愛くてけっこう良かった。
Gユウスケの絵は普通にうまいと思う。塗りはやや不安定さが見えたが、まあ許容範囲内。

BGMは良曲が多い。場面に合わせて、盛り上がるよう使用していた。
ボーカル曲の歌手はAyumi.。スタッフロールで確認できる。

ヒロインの声優・榊原ゆいの演技も可愛く、カッコよく、エッチく。といろんなパターンを楽しめた。声質は好みだろうが、うまいとは思う。

H\シーンも含めると話のボリュームも結構あり、絵やBGMもいい、SLGもちゃんと遊べる。
総じて、低価格タイトルとしてはかなり完成度の高い作品になっているとは思う。
さやか篇とあるので、この後もシリーズとして続いていくんだろうけど、割といい出だしなのではないかと思う。
あと、Gユウスケのファンは、もうここのメーカーくらいでしかエロい絵は見えないかもしれないので買ってもいいかもしれない。